鼻を突く[語句情報] » 鼻を突く

「鼻を突く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鼻を突くの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
美しき月夜」より 著者:宮本百合子
く白ばっくれて解りきったものが心一杯に詰っていた。何か惨酷な、血みどろな、プンと鼻を突く嗅《にお》い、自暴自棄な、死ぬに極ってらあというような心持、その死をフフ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
分のもとへ参らるる気かな。拙者は、松戸の五郎蔵殿のもとへ参るつもりじゃ。関東には鼻を突くほど、立派な親分衆がござるが、五郎蔵殿ほど、我々のような浪人者を、いたわ....
日記」より 著者:宮本百合子
帯をしめる。 「黄昏」。 午後、村松正俊氏がギリシア語の用で来訪、玄関に入ると鼻を突くヘアトニックの香と春帽の鼠色と靴の様子で、大体の風采の想像がつく。 夜....
葛飾土産」より 著者:永井荷風
の地蔵尊、虎ノ門の金毘羅《こんぴら》などの縁日《えんにち》にも、アセチリンの悪臭鼻を突く燈火の下に陳列されるようになっていた。 わたくしは西洋|種《だね》の草....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
、疾うから、思慮も、感覚も皆無になって、動きもせぬ大食いな、不汚極る動物で、始終鼻を突くような、胸の悪くなる臭気を放っている。 彼の身の周りを掃除するニキタは....
本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
るようであつた。数年後の今日でもその時の事を憶い出すと、一種言うべからざる異臭が鼻を突くのを覚える。ただ茲に注意すべきことは、洗骨を境として寡婦の心理状態が一変....