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鼻を鳴らす
「鼻を鳴らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鼻を鳴らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
やはや、飛んでもない人出でござるな。』と情けない声で申したきり、さすがに今日は大
鼻を鳴らすだけの元気も出ないと見えて、そのまま南大門《なんだいもん》の柱の根がた....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
六の条項、深夜サンパンを船長の「私用」では漕《こ》がない、と言う点に至っては彼は
鼻を鳴らすことをやめた。これは彼自身に関することであった。由々《ゆゆ》しい大事で....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
、意地悪ねエ、あたしなんかにいいたくないんでしょう、いいわ、そんなら」 葉子は
鼻を鳴らすような声で、そういうと、豊かな肉体を、くねくねとさせながら、すねて見せ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
、歳はまだ二十一でございますが、負けない気性だから、怒りの余り思わず知らずガッと
鼻を鳴らす。 源「お國さん誰か来たようだよ」 國「貴方は本当に臆病で入らっしゃる....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
えて行く――かとすれば、忽ち又近くで堪《た》え切れぬように啼き出して、クンクンと
鼻を鳴らすような時もあり、ギャオと欠《あく》びをするような時もある。 ....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
「違います。」 と鼻ぐるみ頭を掉って、 「さとからじゃ、ははん。」と、ぽんと
鼻を鳴らすような咳払をする。此奴が取澄ましていかにも高慢で、且つ翁寂びる。争われ....
「白い壁」より 著者:本庄陸男
はすかしてみたり、深さを測ってみたりした。そうしてますます感心し「ふうん――」と
鼻を鳴らすのであった。 順番を待っていた子供の中から、妬《や》っかんだ声が洩れ....
「農村」より 著者:宮本百合子
が外まであふれて居る。 退屈な乳牛共が板敷をコトコト踏みならす音や、ブブブブと
鼻を鳴らすの、乾草を刃物で切る様な響をたてて喰べて居るのなどが入りまじって、静か....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
事の中心をいいかげんに忘れて。若い女の上の空性、実に私はきらいよ。何とかちょいと
鼻を鳴らすとその場はごまかして。何だかズルリとしている。その不気味さ。そしてこれ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
られても大抵は口を利かなかった。ただ不意におそろしい顔をして見上げ、霧笛のように
鼻を鳴らすだけだった。で、私たちも家のあたりへ来る人々も間もなく彼を相手にしない....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
て空を走った。このとき、次郎の愛撫に身をまかせていたフハンが、両耳をキッと立てて
鼻を鳴らすと、河岸を上手へ走った。 「なんだろう?」 とサービスが緊張していっ....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
クさんが、かんたんに片付ける。 「釣りでもしてるのさ」 鮎子さんが、ふうん、と
鼻を鳴らす。 「へえ、あんな沖で釣りをするのかい? あそこは海流からはずれている....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
?」 そのひとは、また笑った。 「知りませんね」 キャラコさんは、ふうん、と
鼻を鳴らす。 西洋骨董店の飾窓で絵を見てから、ここへ辿《たど》りつくまでの、苦....
「木曽御嶽の両面」より 著者:吉江喬松
らない。空腹を癒して臥床へはいると、疲労がすぎたのか眠られない。遠くない処で馬の
鼻を鳴らす音も聞える。――ふと林務官の事が胸に浮んで来た、雨に逢って如何したろう....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
怪しと思いて板戸を開き見るに何の影もなし。しばらくの間坐りて居ればやがてまた頻に
鼻を鳴らす音あり。さては座敷ワラシなりけりと思えり。この家にも座敷ワラシ住めりと....