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「鼻唄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鼻唄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
。まああなたもお楽しみなさいまし」 渠は直ちに踵《きびす》を回《めぐ》らして、鼻唄《はなうた》まじりに行き過ぎぬ。欣弥は何思いけん、 「おい、車夫《くるまや》....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。ことしの七月の末でございました。日が暮れてもなかなか残暑が強いので、涼みながら鼻唄で柳原の堤下を通りました。もうかれこれ五ツ半(午後九時)頃でしたろう。ふいと....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ははは」 彼はもう余ほど酔っているらしく、寒い夜風に吹かれながら好い気持そうに鼻唄を歌って行った。半七も草履の音を忍ばせて、そのあとを尾《つ》けてゆくと、彼は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あの化け銀杏の下へ行って張り込んでいてくれ。それも黙っていちゃあいけねえ。なにか鼻唄でも歌って、木の下をぶらりぶらり行ったり来たりしているんだ。寒かろうが、まあ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
った練塀の横手にかくれて、蜘蛛のように塀ぎわに身をよせていた。 吉原通いらしい鼻唄の声を聴きながら、二人はここに半刻ほども待ち暮らしていると、暗いなかから人の....
婦系図」より 著者:泉鏡花
これが煮焼、拭掃除、万端世話をするのであるが、通例なら学僕と云う処、粋な兄哥で、鼻唄を唱えばと云っても学問をするのでない。以前早瀬氏が東京で或学校に講師だった、....
海異記」より 著者:泉鏡花
、真水と塩水をちゃんぽんにがぶりと遣っちゃ、あみの塩からをぺろぺろとお茶の子で、鼻唄を唄うんだい、誰が沖へ出てベソなんか。」 と肩を怒らして大手を振った、奴、....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
つの間に墓場、黄泉の台どころを嗅ぎ当てていたのかと不思議に思った。 たまたま、鼻唄を歌って通るものに会うと、その声からして死んだものらの腐った肉のにおいが聴か....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
は、ゴールデン・バットに炉口の火を点けてそいつを横ッちょに銜えると、油差を片手に鼻唄を唄いながら鉄梯子を降りて行ったんです。 が、間もなく杉本は顔色を変えて物....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
云ったが、折角の計劃が無になったいまいましさを紛らす為めか傍若無人にたてつづけの鼻唄。麻川氏は私と同じ無言で、しかし、何かしきりに考えめぐらして居る様子だったが....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
でいる。畑には西瓜や唐茄子が蔓を這わせて転がっている。そのなかで甕から首を出して鼻唄を歌っていると、まるで狐に化かされたような形であるが、それも陣中の一興として....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
のかげに平蜘蛛のようにぴったりとはりついた。 やがて彼の眼の前を、長身の水兵が鼻唄まじりで、風のように通りすぎた。 (おお、気づかれずにすんだか。もちっとで鉢....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
通りものの提灯を借りたので、蠣殻道を照らしながら、安政の地震に出来た、古い処を、鼻唄で、地が崩れそうなひょろひょろ歩行き。好い心持に眠気がさすと、邪魔な灯を肱に....
巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
のである。 「むすこは巴里の花形画家で、おやじゃ野原のへぼ絵描き……」 こんな鼻唄をうたいながら、お父様はこの頃、何を思ったかおまえの美術学校時代の壊れた絵の....
風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
でいる。畑には西瓜や唐茄子が蔓を這わせて転がっている。そのなかで甕から首を出して鼻唄を歌っていると、まるで狐に化かされたような形であるが、それも陣中の一興として....