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鼻毛
「鼻毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鼻毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
心したような顔を見せない。むしろ、冷然として、煙管《きせる》を啣《くわ》えたり、
鼻毛をぬいたりしながら、莫迦《ばか》にしたような眼で、舞台の上に周旋する鼠の役者....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
帝都の真中で密売淫や強姦を十分に取締る事の出来ぬ警察力や、待合の二階で醜業婦共に
鼻毛を読まれている当世の大臣や役人|輩《ばら》に、盆踊り位をとやかくいう権能は余....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
たた》く間に剃刀屋の新店が出来上った。安全剃刀の替刃《かえば》、耳かき、頭かき、
鼻毛抜き、爪切《つめき》りなどの小物からレザー、ジャッキ、西洋剃刀など商売柄、銭....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ゃねえか。おめえまで誘い込まれて、ぽかんと口なんぞあけて見とれていたら、根こそぎ
鼻毛を抜かれちまうぜ」 しきりとあいきょう者が一日の長を誇って、いやに兄分風を....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
したというようなわけでしたが、とにかく右門のすばらしい功名に、同僚たちはすっかり
鼻毛を抜かれた形でした。けれども、おなじみのおしゃべり伝六だけには、一つふにおち....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
かいたはずあねえんだ。お中元用の配り物に新花屋のこの女から頼まれて、ちっとばかり
鼻毛をのばしながら、せっせとかいたもんだよ」 「パカにしちゃいけませんよ。あっし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えても、変じゃねえか」 「変ですとも……。打っちゃって置くと、よその仲間に飛んだ
鼻毛を抜かれますぜ」 「そんなことがねえとも云われねえ」 ふたりは立ち話で相談....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
息子か」 「あ、源次の奴ほじくり出しましたかえ。あいつ油断がならねえ」と、多吉は
鼻毛をぬかれたような形で少してれた。「じゃあ、その方は大抵御承知ですね」 「だが....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
遣れ。見事に己を間抜けにして見ろ。同じ叱言を云うんでも、その点だけは恐入ったと、
鼻毛を算まして讃めてやるんだ。三下め、先生の目を盗んでも、お前なんぞのは、たかだ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
のびでござりまするな」 「そちと比べてどうじゃ」 「手前の何とでござります」 「
鼻毛とよ」 「御笑談ばっかり、おいたを仰せ遊ばしますると傷がつきまするぞ」 ジ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
をのぞき込んでにっこり笑ったりして、ああ、きたない、そんな事をするひまがあったら
鼻毛でも剪んだらどう? 伸びていますよ、くやしかったら肥桶をかついで、」とうるさ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
自分で死ぬほど、要らぬ生命を持っているなら、おなじ苦労をした女の、寿命のさきへ、
鼻毛をよって、継足をしてやるが可い。このうつくしい、優しい女を殺そうとは何事だ。....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
ゃれい。」 「えろう、女狐に魅まれたなあ。」 「これ、この合羽占地茸はな、野郎の
鼻毛が伸びたのじゃぞいな。」 戻道。橋で、ぐるりと私たちを取巻いたのは、あまの....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
ど、相手はぞっこんわが輩を慕っているのだ。もう幾千代かけての契りまで結んだのだ。
鼻毛が長いぞ。 これでわが輩の長い間のもくろみも、その意を達する機会が到来した....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
からひどいよ。ことに教育課長が引っ懸っているカフェー・アブナイの梅子というのは、
鼻毛で放れ馬を繋ぐとまで言われている妖婦なんじゃ」 「困ったものに引っ懸ったもん....