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鼻水
「鼻水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鼻水の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
放しかねるようだが、何一つ口を出さない。そして土間の隅で洗いものなどをしながら、
鼻水を盥《たらい》に垂らして、大急ぎですすり上げたりしていた。
「けれどもだ、何....
「二老人」より 著者:国木田独歩
目となれば五円が十円でも、雨の日雪の日にも休むわけにはいかない、やっぱり腰弁当で
鼻水をたらして、若い者の中にまじってよぼよぼと通わなければならぬ。オヽいやな事だ....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
なものだからここで一本|貰《もら》って……」 開墾地の彦助爺《ひこすけじい》が
鼻水を押し拭《ぬぐ》いながら言った。 「やっぱりそれじゃ、今年も値段が折り合わね....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
て、テーブルの上へ積み上げた。 かわいそうに、ボースンと大工は、フォックスルで
鼻水を凍らせていた。 機関長はエンジンへはいって、ハンドルへ、手をかけて待って....
「風琴と魚の町」より 著者:林芙美子
ぬご」 「ちぬごか、あぎゃんもんがええんか」 家の中は誰もいなかった。男の子は
鼻水をずるずる啜りながら、ちぬごを新聞で包んでくれた。ちぬごは、まだぴちぴちして....
「河沙魚」より 著者:林芙美子
します」 千穂子は髪ふりみだしたまま、泣きそうな顔をして、モンペの紐《ひも》で
鼻水を拭《ふ》いた。涙が出て仕方がなかった。中国にいる隆吉のかえりも、もう間近で....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
が、勘三がビルディングの中へ消えてしまうと、啓吉は寒さと心細さで、何度すすっても
鼻水がこぼれた。ここから、母親のそばまではもう帰れない程遠いのではないかと思った....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
に一匹でもいたらお目にぶらさがるってんだ。三百法ちょうだい。……ケッおかしくって
鼻水が出らア。……ネ、先生、オレの本職ってなア案内人《ガイド》なんてケチなんじゃ....
「左ぎっちょの正ちゃん」より 著者:小川未明
と、お母さんが、おっしゃいますと、正ちゃんは、紙を持ってきてかみますが、かえって
鼻水をほおになすりつけるのでした。こんなとき、もしお姉さんが見ていらっしゃると、....