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鼻汁
「鼻汁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鼻汁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「癩」より 著者:島木健作
が。あの二人は大阪近郊の癩療養所の医者なんです。つまり専門家に診せたわけですね。
鼻汁《はなじる》のなかに菌も出たらしい……この病気は
鼻汁のなかに一番多く菌がある....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
涙が出て、初め、よく見えなかった。大工は横を向いて勢いよく「つかみ鼻」をかんだ。
鼻汁が風にあふられて、歪んだ線を描いて飛んだ。 ともの左舷のウインチがガラガラ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
手拭を冠って両手を袖に隠した女だのの行き過ぎるのに遭った。往来の人々は、いずれも
鼻汁をすすったり、眼側を紅くしたり、あるいは涙を流したりして、顔色は白ッぽく、頬....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
なもの)を振舞った。それがトテモ美味しくて熱いので、喰っている子供連は一人残らず
鼻汁を垂らしたのをススリ上げススリ上げしていた。 翁はニコニコと眺めていた。(....
「天馬」より 著者:金史良
た。自分もあの瓢《パカチ》のようなぐりぐり坊主になって袈裟《けさ》を身にまとい、
鼻汁をよく啜り上げる正覚禿坊主の前で、毎日毎晩|数珠《じゅず》を首にかけて神妙に....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
すために私は初めて排せつの楽しみを発見した、即ち大小便が出る時、出たあとの快感、
鼻汁をかんだ爽快等だ、それからノミや南京虫にかまれた処をかいて快味を味って、しば....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
ある。 朝起きて犬は口中を洗わないが歯糞がたまることもない。人間は歯糞、鼻糞、
鼻汁等を排泄すること多量であるがために朝は必ず大掃除をせねばならぬ。かくも相当厄....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
かわったことではござらぬ。」 「ハハハ。一体それがしは宝物などいうものは大嫌い、
鼻汁かんだら鼻が黒もうばかりの古臭い書画や、二本指で捻り潰せるような持遊び物を宝....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
以上を歩行する時は、重荷の為めに両肩疼み、強て忍ぶも呼吸は促迫し、尚忍ぶ時は涙と
鼻汁とは多く流れ出で、両肩の疼み次第に増すを以て、両手を後にまわし叺の底を持ちあ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
まらなかった。彼は飯をかき込みながら、しきりに息ずすりした。袖口と手の甲が、涙と
鼻汁とで、ぐしょぐしょに濡れた。お副食には小魚の煮たのをつけて貰ったが、泣きじゃ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
は確かであった。死に方が普通と変って、最後に全身がしびれるらしく、口もきけずに、
鼻汁やヨダレをたらして息をひきとったのである。 奥州ではフグを食う習慣は殆どな....
「三重宙返りの記」より 著者:海野十三
、機上から下りて、校長閣下を始め御歴々に対し、初めて挙手の礼をもって挨拶をした。
鼻汁がたれているのはわかっていたが、これを拭うすべをしらないほど平常の身嗜みに無....
「人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
は、空腹でない時にのむ場合とか、宿酔のあととか、であるが、然し、季節的に考えて、
鼻汁のでるころ、つまり冬、それがいけない。私は冬中鼻カゼをひき通しであるし、時に....
「錦紗」より 著者:犬田卯
……」とお民がはやすと、 「でも、あの兄さん、いい人があるんだから俺らことなんか
鼻汁も……の方なんだから、駄目の皮。」 「そうでもあるめえで……」 といって三....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ちょいと拭いてくれないかと言うと、ようございますと言ってじきに取り上げて、自分の
鼻汁を拭いた長い筒っ袖の先で茶碗を拭き取るのです。それで誠に清浄になりましたと言....