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「鼻眼鏡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鼻眼鏡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
学の講義だそうです。ぜひ一度大学を見にお出でなさい。わたしのこの前参観した時には鼻眼鏡をかけた教授が一人、瓶《びん》の中のアルコオルに漬《つ》けた露西亜の古胡瓜....
路上」より 著者:芥川竜之介
が、特に俊助の注意を惹《ひ》いた人物だった。近藤は大井よりも更に背の低い、大きな鼻眼鏡をかけた青年で、『城』同人の中では第一の絵画通と云う評判を荷っていた。これ....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
みた疎《まばら》な髯を貯えている。これはつんと尖った鼻の先へ、鉄縁《てつぶち》の鼻眼鏡をかけたので、殊にそう云う感じを深くさせた。着ているのは黒の背広であるが、....
岩石の間」より 著者:島崎藤村
しょう」 と言って先生が書架から取出したのは、古い皮表紙の小形の洋書だ。先生は鼻眼鏡を隆《たか》い鼻のところに宛行《あてが》って、過ぎ去った自分の生活の香気《....
自叙伝」より 著者:大杉栄
、待っているというほどもなく、すぐ後藤がはいって来た。新聞の写真でよく見ていた、鼻眼鏡とポワンテュの鬚との、まぎれもない彼だ。 「よくお出ででした。いや、お名前....
イオーヌィチ」より 著者:神西清
をしていた。その妻のヴェーラ・イオーシフォヴナは、瘠せぎすな愛くるしい奥さんで、鼻眼鏡をかけ、手ずから中篇や長篇の小説をものしては、それをお客の前で朗読して聴か....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
に砕け、なかから黄色い紙に何か細々と記した物が出て来た。 博士は急ぎ拾い上げ、鼻眼鏡を取り出して鼻にかけ、眉の間に皺を寄せながら熱心に読み始めた。なにしろ鉛筆....
地上」より 著者:島田清次郎
A氏はハンカチで赤いてら/\健康そうな血の漲った大きい造作の顔の汗を拭きながら、鼻眼鏡をかけ直したりしていたが、K氏が窪んだ瞳をしば/\させているのに辛抱しきれ....
キド効果」より 著者:海野十三
いるのか、丘助手には暫しが程は全く不明だった。 「これは相当なもんじゃ」と博士は鼻眼鏡を外しながら仰有った。「C興奮とF興奮とが明瞭に出ているね」 「ははア――....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
のであった。 かくてドーブレクの邸に現れたのが、フロックコートに山高帽、金縁の鼻眼鏡に斑白の顎髯のある頑丈な中年輩の紳士であった。玄関へ出て来たビクトワールは....
」より 著者:カフカフランツ
垂れ下がっている。黒い髭がながながと引かれている。斜めにかけた、きらきら反射する鼻眼鏡が、両眼を被っていた。クラム氏が完全に机に向って坐っていたのであれば、Kは....
審判」より 著者:カフカフランツ
った。支店長代理はすぐはいってきて、扉の近くに立ち止り、新たに始めた習慣に従って鼻眼鏡を磨き、まずKを見て、次にはあまり目だつようにKにばかり気を取られている素....
三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
声をあげて飛退いた。が、もう、遅かった。青年は老紳士の腕を掴んだ。同時に老紳士の鼻眼鏡が地面に落ちて砕けた。 「おうい! 誰か来てくれ! 誰かあ!」 老紳士は....
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
乗っていた。これはヤアギチ夫人の従姉で、もう三十を越した、顔色の悪い眉毛の濃い、鼻眼鏡の老嬢であるが、烈しい寒風のなかでも小休みもなく巻煙草を喫うのが癖で、胸の....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
の佐伯田博士というのはどんな人だった?」 「痩せた背の高い、がっちりした人です。鼻眼鏡をかけていて、ちょっと西洋人みたいな顔をしていました」 「店員の他に知って....