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「鼻血〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鼻血の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年」より 著者:芥川竜之介
のように消えてしまった。もう彼は光栄に満ちた一瞬間前の地雷火ではない。顔は一面に鼻血にまみれ、ズボンの膝は大穴のあいた、帽子《ぼうし》も何もない少年である。彼は....
或る女」より 著者:有島武郎
、大濤《おおなみ》がどすんどすんと横隔膜につきあたるような心地《ここち》がして、鼻血でも出そうに鼻の孔《あな》がふさがった。門を出る時も口びるはなおくやしそうに....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
のを上へ上げてもらったろう。男の先生にさ――けがらわしい奴だ」 「おまえは、今日鼻血を出した男の子に駆けてって紙を二枚もやったろう。あやしいぞ」 そして、しま....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
だ。ちっとも痛かないんだから、妙《みょう》てけりんだ」 「地球の上なら、さっそく鼻血を出したところだろうね」 「おっと、さあ来たよ。なるほど、この大木め、いやに....
火星探険」より 著者:海野十三
おこした。そしてハンカチで鼻をおさえてやった。山木は、博士のステッキを鼻にうけ、鼻血を出したのであった。 「おお、日本の少年君、すまんことをしたね。勘弁してくだ....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
であった。なにしろそういう人々は事生命財産に関係することだとあって、衣服が破れ、鼻血を出し、靴の脱げ落ちることなど一向意に介せず、文字どおり博士めがけて殺到した....
四次元漂流」より 著者:海野十三
て後から組みつこうとしたが、それは失敗し、彼はいやというほど窓際の壁にぶつかって鼻血をたらたらとだした。 そのさわぎのうちに、雪子の幽霊と大金庫はゆうゆうとこ....
火薬船」より 著者:海野十三
甲板上に、今や乱闘の幕は切っておとされようとしている。 甲板のうえは、たちまち鼻血で真赤に染まろうとしている。こうなっては、どっちも引くに引かれぬ男の意地、さ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
どころではござりますか、お前様、直ぐに縊殺されそうな声を出して、苦しい、苦しい、鼻血が出るわ、目がまうわ、天窓を上へ上げてくれ。やい、どうするだ、さあ、殺さば殺....
」より 著者:織田作之助
くせに生意気やぞと鉄拳制裁をされた。三十人ほど相手に奮闘したが、結局無暴だった。鼻血をふきだしながら白い眼をむいていた。鼻の穴に紙きれを突っ込んだ妙な顔を職員便....
決闘場」より 著者:岡本かの子
騒音があった。 アイリスは、地を蹴る乱雑な響に腹底をいたぶられた。二人の交互に鼻血を啜る音を聞いた。猛獣の荒々しい呼吸づかいさえ感じて総毛立った。これらの雑音....
橋の上」より 著者:犬田卯
た時、圭太は自分の前に、二三の女生徒が立っているのをぼんやりと認めた。 「あら、鼻血が出てるわ……まあ……」 一人の女生徒がびっくりしたような声で言った。彼女....
越年」より 著者:岡本かの子
」 加奈江は、やっと男の頬を叩いた。その叩いたことで男の顔がどんなにゆがんだか鼻血が出はしなかったかと早や心配になり出す彼女だった。叩いた自分の掌に男の脂汗が....
」より 著者:織田作之助
の癖に生意気やぞと鉄拳制裁をされた。四十人のものを相手に五分ほど奮闘したが、結局鼻血が出て、闘いは終った。それから十日ほど経ち学期試験が始まった。あぶついて問題....
耳香水」より 著者:大倉燁子
、知らない男が死んでいるんですからね。おまけにあの人ッたら、ぶよぶよ肥っていて、鼻血なんか出しているんですもの、気味が悪いわ。でもあの女給さんは気丈者ですよ。私....