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「齟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

齟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ろまん灯籠」より 著者:太宰治
と、ラプンツェルの場合も、たしかに、その懐姙、出産を要因として、二人の間の愛情が齬《そご》を来《きた》した。たしかに、それは神の試みであったのである。けれども....
弓町より」より 著者:石川啄木
首の短歌を作った。短歌! あの短歌を作るということは、いうまでもなく叙上の心持と齬《そご》している。 しかしそれにはまたそれ相応の理由があった。私は小説を書....
新生」より 著者:島崎藤村
らないで、兄の方から宣告でも下したような義絶にまで導いた。それはまた、親の計画を齬《そご》させ、娘を親から反《そむ》かせ、混雑と狼狽《ろうばい》とを親戚の間に....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ル、また緯度七〇度付近では八キロメートルである。 リッターは彼の計算と事実との齬の原因を説明するために、非常に高い所では空気のガスが、ちょうど下層における水....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
絶命推定時刻は法水の推定どおりだったけれども、異様な緩性窒息の原因や、絶命時刻と齬している脈動や呼吸などについては、まさに甲論|乙駁の形で、わけても、易介が傴....
近時政論考」より 著者:陸羯南
の信ずるところの真理を主張するあたわず、あるいは真理を主張してかえってその名称と齬するものあり。名を先にして実を後にす。ああまた奇なりと言うべし。かのリベラリ....
琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
。新聞で宝石の紛失を知った賊は、岩見の所為と見たでしょう。そこで兇漢は彼の計画を齬せしめ、あの宝石を奪われたのを知った時、如何に之を取返そうと誓ったでしょう。....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
、明日は高清水を踏潰《ふみつぶ》し候わん、と氏郷は云ったが、目論見《もくろみ》の齬《そご》した政宗は無念さの余りに第二の一手を出して、毒を仕込み置いたる茶を立....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
見などにも、耳を傾けるようになりました。よく口癖に申したりします。『事というのは齬するものだ。俺はこれからは我は張らぬよ』このように申すのでございますよ」 ....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
理を講じて多少に得たるところのその知見も、今や始めて実物に接して、大に平生の思想齬するものあり、また正しく符合するものもありて、これを要するに今度の航海は、諭....
ながうた勧進帳」より 著者:酒井嘉七
単純に、考えていられたのでございましょう。そうしたことから、お二人の計画は、全く齬してしまったのでございます。私は時折、かような、いらぬ詮議だてをいたしました....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、その飜訳料をもて本月の費用にあてんと思ひをりしに今は空だのめとなりしか、人事|齬多し、覚えず一歎を発す。」 「この頃は新聞紙を読みて、何某は剛毅なり薄志弱行....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
事柄が飛び出して挫折したわけでもないのだ。つまりは諸氏の望みと諸氏の用意との間に齬があったのである。諸氏はいよいよ作陶に取りかかるというその日までにどれだけの....
五重塔」より 著者:幸田露伴
言でじっと待っててくりょうと、気性が違えば思わくも一二度ついに三度めで無残至極に齬い、いと物静かに言葉を低めて、十兵衛殿、と殿の字を急につけ出し叮嚀に、要らぬ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
しまって、ひっこみがつかぬ事がよく人生に起るものです。不思議とある人に限ってこの齬が度々繰り返されることがありまして、悲運の余りいじけたり、呆然自失してしまう....