»
齢
「齢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
齢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
を、表白してやりたいという欲望がある。それが実行に移されなかったのは、おそらく年
齢が歯止めをかけたせいであろう。
「そこへ行くと、一九《いっく》や三馬《さんば》....
「春」より 著者:芥川竜之介
人に時々|一瞥《いちべつ》を与えられるのは勿論彼女にも不快だった。しかし彼等も年
齢の上から、――と言うよりもさらに服装の上から決して二人の関係を誤解しないには違....
「河童」より 著者:芥川竜之介
た。それから頭のまん中には楕円形《だえんけい》の皿《さら》があり、そのまた皿は年
齢により、だんだん固《かた》さを加えるようです。現に年をとったバッグの皿は若いチ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
道徳は常に古着である。
*
良心は我我の口髭《くちひげ》のように年
齢と共に生ずるものではない。我我は良心を得る為にも若干の訓練を要するのである。
....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
―丁目――番地居住、佐々木信一郎《ささきしんいちろう》と申すものでございます。年
齢は三十五歳、職業は東京帝国文科大学哲学科卒業後、引続き今日まで、私立――大学の....
「或る女」より 著者:有島武郎
や人物やに事実以上の好奇心をそそられていたころであったが、木部は二十五という若い
齢《とし》で、ある大新聞社の従軍記者になってシナに渡り、月並みな通信文の多い中に....
「或る女」より 著者:有島武郎
た)大きく見開いて相手の視線をはにかみもせず迎えるばかりだった。先方の人たちの年
齢がどのくらいで容貌《ようぼう》がどんなふうだなどという事も葉子は少しも注意して....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
佐藤与十という小作人の小屋があった。与十という男は小柄で顔色も青く、何年たっても
齢《とし》をとらないで、働きも甲斐《かい》なそうに見えたが、子供の多い事だけは農....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
にお前たちは枕を列《なら》べて寝ているのだ。お前たちはまだ小さい。お前たちが私の
齢《とし》になったら私のした事を、即《すなわ》ち母上のさせようとした事を価高く見....
「星座」より 著者:有島武郎
のことは甫《はじ》めてなすべきものと信じ候小生ごときはすでに起たざるべからざるの
齢《よわい》に達しながら碌々《ろくろく》として何事をもなしえざること痛悔《つうか....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
よりも年の若い軍艦だった。彼等は広い海越しに時々声のない話をした。△△は××の年
齢には勿論、造船技師の手落ちから舵の狂い易いことに同情していた。が、××を劬るた....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
も、お馴染みの祖父の方が、却って都合のよいこともあるものと見えます。私の祖父の年
齢でございますか――たしか祖父は七十|余りで歿りました。白哲で細面の、小柄の老人....
「墓」より 著者:秋田滋
冒涜行為を目のあたりに見たのである。 一人の曲者が、前の日にそこへ埋葬された妙
齢の婦人の死体を掘り出して、今しもそれを墓穴から引ッぱり出そうとしているのだった....
「初雪」より 著者:秋田滋
の頃になると、彼女は凍ったように冷たい屋敷の空気がいよいよ辛くなって来た。人間は
齢を重ねるにつれてその肉体から温かみが失せてゆくものだが、それと同じように、この....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
三人の妹があった。長女はもはやかたづいてライド夫人となり、次女はサラといいて、妙
齢二十一才、三女のジェンはまだ幼い子であった。ファラデーは前から手帖に色々の事を....