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「龍胆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

龍胆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
五尺にあまる楕円形の大石に征夷大将軍|源左金吾頼家尊霊と刻み、煤びた堂の軒には笹龍胆の紋を打った古い幕が張ってある。堂の広さはわずかに二坪ぐらいで、修善寺町の方....
悲願に就て」より 著者:坂口安吾
とは思わぬ。だが、これを突き破って始まるところの文学を私はより多く期待するのだ。龍胆寺雄氏「アラッヂンのラムプ」。どんな架空な物語を書いても、作者が空想の中に生....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
なめずらしい草を集めましたよ――じじばば(春蘭)だの、しょうじょうばかまだの、姫龍胆だの。」 「やっぱり君と一緒に来てよかった。ひとりでいる時でも、君が来ている....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
六人のものが赤地に菊の御紋のついた錦の御旗と、同じ白旗とをささげて来た。空色に笹龍胆の紋じるしをあらわした総督家の旗もそのあとに続いた。そればかりではない、井桁....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
びみ》である。 キキョウの図 リンドウ リンドウというのは漢名《かんめい》、龍胆の唐音《とうおん》の音転《おんてん》であって、今これが日本で、この草の通称と....
小説 円朝」より 著者:正岡容
この間、越した家よりやや小さかったけれど、普請が新しく、裏の窓を開けると、濃い龍胆《りんどう》いろにすみだ川がながれていた。その川面へ、向こう河岸の横網町の藤....
『健康会議』創作選評」より 著者:宮本百合子
は考えて見てよいのではないだろうか。 「秋空」 三津木静 「春龍胆」 若宮ふみ子 「何日かは春に」 大橋重男 「秋空」は、まとま....
昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
の鮮明な幟色の下に立った。同人としては中村武羅夫、岡田三郎、加藤武雄、浅原六朗、龍胆寺雄、楢崎勤、久野豊彦、舟橋聖一、嘉村礒多、井伏鱒二、阿部知二、尾崎士郎、池....
一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」より 著者:宮本百合子
ど前後してある意味ではいわゆる文壇を総立ちにさせた一作品が『文芸』に発表された。龍胆寺雄の「M子への遺書」という小説である。 「M子への遺書」はいわゆる文壇の内....
伸子」より 著者:宮本百合子
であった。そこに、田舎の温泉場らしく湯の筧《かけい》が通っていた。熊笹の間には、龍胆《りんどう》の花が山気に濡れながら咲いていた。―― 高原的な緑木のざわめき....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
楽部による「新興芸術派」が組織された。中村武羅夫、岡田三郎、加藤武雄、浅原六朗、龍胆寺雄、楢崎勤、久野豊彦、舟橋聖一、嘉村礒多、井伏鱒二、阿部知二、尾崎士郎、池....
」より 著者:吉川英治
がして働いている人々は、皆、彼の残忍を口のうちで呪った。 汗の下に咲いた可憐な龍胆の花が、見られもせず、草鞋で踏まれる秋になった。 湯沸し場に、人立ちがして....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の近くに春を染めていた岐良牟草のむらさき花も散りつくして、真ッ赤な山神の錫杖や白龍胆や桔梗の花がそれに代っていた。かれはまたぎらん草にかわる色素をたずねて、それ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
事にはちょうどよい。あるだけ拾い集めて――」 と、河原の背を見まわし、 「あの龍胆の花のあたりへ埋けておきなさい」 「鍬がないのに」 「その折れ刀で掘れ」 「....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
し目を送った。 巌流のすがたは見えなかった。ただ、山桃の樹四、五本のあいだに、龍胆の紋のついた幕がひらめいていた。 幕のすそには、青竹の柄のついた柄杓を添え....