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「あしらい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

あしらいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
かったばかりか、働きのない没情漢《わからずや》と見限って、口先ばかりで人間並みのあしらいをしていたのだ。しかしその晩葉子はこの少年のような心を持って肉の熟した古....
星座」より 著者:有島武郎
た。始めて小樽に連れだされたのは十七だった。まるで山の中から拾ってきた猿のようなあしらいを受けた。箸の上げおろしにも笑いさいなまれ、枕につくたびごとに、家恋しさ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
い。叔父に済まない。二人とも、誰にも言うな。……」 と鷹揚で、按摩と女房に目をあしらい。 「私は羽織の裾を払って、 (違ったような、当ったようだ、が、何しろ、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
く時節でもなく、家は古いが、壁から生えた芒も無し、絵でないから、一筆|描きの月のあしらいも見えぬ。 ト忌々しいと言えば忌々しい、上框に、灯を背中にして、あたか....
高野聖」より 著者:泉鏡花
ぶと》なのを横銜《よこぐわ》えにしてやらかすのじゃ。 婦人《おんな》はよくよくあしらいかねたか、盗《ぬす》むように私《わし》を見てさっと顔を赭《あか》らめて初....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
なかった目を、まつげ深く衝と見伏せる。 この狂人は、突飛ばされず、打てもせず、あしらいかねた顔色で、家主は不承々々に中山高の庇を、堅いから、こつんこつんこつん....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
んなことをするもんじゃあないよ。ちゃんと姉顔をして澄していなくっちゃあ。妙にお客あしらいで、私をばお大事のもののようにして、その癖ふざけるから、皆が種々なこと云....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
すき焼は、なかなか、幕下でも、前頭でも、番附か逸話に名の出るほどの人物でなくてはあしらい兼ねる。素通りをすることになった。遺憾さに、内は広し、座敷は多し、程は遠....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
悪い処へ来合せでもしたように、急込んで、 (田圃へ行って見ませんか、) と何のあしらいもなく装附けた。 (は、参りましょう、) と頷いて、台所の方を振返りな....
古狢」より 著者:泉鏡花
に洗上げたのを、ころころと三つばかり、お町が取って、七輪へ載せ、尉を払い、火箸であしらい、媚かしい端折のまま、懐紙で煽ぐのに、手巾で軽く髪の艶を庇ったので、ほん....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
けえ。へん、お堀端あこちとらのお成り筋だぞ、まかり間違やあ胴上げして鴨《かも》のあしらいにしてやらあ」 口を極《きわ》めてすでに立ち去りたる巡査を罵《ののし》....
姪子」より 著者:伊藤左千夫
其の小手廻しのえいことと云ったら、お町は一苦労しただけあって、話の筋も通って人のあしらいもそりゃ感心なもんよ。 すとんすとん音がすると思ってる内に、伯父さん百....
錦紗」より 著者:犬田卯
く蓄め上げたものだった。黒地に渦巻く水流と浮動する落花とたなびく雲のたたずまいをあしらい、その表面へ大きく草の葉や小鳥を黄に染めぬいたその模様が、眠っても覚めて....
画道と女性」より 著者:上村松園
上に、金糸の刺繍を見せた泥描きの模様を、新規のものはお目出度い鳳凰模様としたり、あしらいに飛ばしてあった春を思わせる胡蝶の数の、四匹を三匹にしたりした程度のいさ....
蠅男」より 著者:海野十三
でなぐりつけるぞ」 奇人館の主人は、なるほど奇人じみていた。検事はそれをうまくあしらいながら、署長たちに断りをいって、ドクトルのお伴をすることになった。堤のと....