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「あしらう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

あしらうの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
見をするのを葉子がすばやく見て取った事などもあった。といって今まで自分の子供でもあしらうように振る舞っていた葉子に対して、今さら夫人は改まった態度も取りかねてい....
或る女」より 著者:有島武郎
せねこれだけの心持ちに働かれていた。「そんな事で愛想が尽きてたまるものか」と鼻であしらうような心持ちに素早《すばや》くも自分を落ち着けてしまった。驚きの表情はす....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
惑であるがごとき思いがした。 且つその身体を棄てもせず、老実やかに、しんせつにあしらうのが、何か我ながら、身だしなみよく、床しく、優しく、嬉しいように感じたく....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
て近々と来て盆ごと出しながら、も一度襖越しに見返った。名ある女を、こうはいかに、あしらうまい、――奥様と云ったな――膝に縋った透見をしたか、恥と怨を籠めた瞳は、....
決闘場」より 著者:岡本かの子
そして男も女も遠のいて行ってしまった。彼女は、男達の投げた誘いの網を、女達がどうあしらうかと一寸好奇心を起した。だが女達は相手にもならずに去って行った。なんでも....
病房にたわむ花」より 著者:岡本かの子
ましょう。あまり単調で気が狂おう(※)そして日本の桜花の層が、程よく、ほどほどにあしらう春のなま温い風手は、徒に人の面にうちつけに触り淫れよう。桜よ、咲け咲け、....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
一日、あなたはあのかたくるしいイギリス人にばかりくっついていて、今度はぼくを鼻であしらうんですね。」 「そんなつもりじゃなくってよ。あんまりおかしな顔をなさるの....
書記官」より 著者:川上眉山
あるいは、とばかり疑いしが、色にも見せずあくまで快げに装いぬ。傲然として鼻の先にあしらうごとき綱雄の仕打ちには、幾たびか心を傷つけられながらも、人慣れたる身はさ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
葉をむしろ冷やかに聞き流してしまった。かれには一旦事が過ぎれば極めて冷淡にものをあしらう性癖がある。根本の執著心は深いけれども思いも寄らぬ冷淡さで過去を離れて現....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
哉へ向かった破落戸達は、いずれも獲物を持っていた。そうして人数も多かった。無手であしらうのは困難であった。そこで義哉も刀を抜いた。 義哉は芸人ではあったけれど....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
女傑|幸蔵主であった。 「相変わらずのお悪戯でござりますか」 あたかも子供でもあしらうように、こう秀次に云いかけたが、咎めるような調子はなくて、なだめるような....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、突くことも打つこともできなかった。そういう庄田を前に置きながら、紋也は子供でもあしらうように、のべつに愉快そうに喋舌りたてる。 「さあ来られいさあ来られい。は....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
葉之助が巧いと云っても年齢ようやく十二歳、年の相違だけでも甚だしい。それを木剣であしらうとは? 「大人気ござらぬ石渡氏、おやめなされおやめなされ!」 と、二、....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
は近寄らなければよいという立前で、けれども、たった一つ、近寄らなければよい主義であしらうわけには行かないものが母であり、家というものであった。私が意志して生れた....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
て、あの巨大な量と、それをペロリペロリと平らげてゆく食慾の爽快さ、巨大な量を軽くあしらうように平らげてしまう落付き払った食慾の快味などをなつかしむことも強いのだ....