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あだ名
「あだ名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
あだ名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
と、女はむくりと起き上って、 「――わてを誰や思ってンにヤ……?」 仏壇お春の
あだ名を持った、私娼生活二十年という女だった。 今はどうサバを読もうと思っても....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
きむすめ》であった。それがために兎角よくない噂が生み出されて、お此は弁天娘という
あだ名で呼ばれていた。しかもそれが普通に用いられる善い意味ではないので、山城屋の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
二十歳になるんですが、俳優の河原崎権十郎にそっくりだというので、権十郎息子という
あだ名をつけられて、浮気な娘なんぞは息子の顔みたさに、わざわざ遠いところから半紙....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
は、先年皇子傅育官長になって死んだ、三好愛吉先生だった。 僕等は先生を孔子様と
あだ名していた。それは先生が孔子様のような髯をはやしていたばかりでなく、何かとい....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
心中|讃嘆し度いような気持もあり乍ら、口ではふだんからかの女に「芸術餓鬼」などと
あだ名をつけてからかって居る。 或る日勤め先から帰って来た逸作がかの女に云った....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ない、町の師匠でも弓の折れや竹切れで引っぱたくのは幾らもあります。かみなり師匠の
あだ名を取っているような怖い先生になると、自分の机のそばに薪ざっぽうを置いている....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
、またいつも赤い帽子をかぶっていたところから僕が「赤帽《シャポオ・ルウジュ》」と
あだ名していた女のことも、その他本当に一緒に寝た女のことは一度も思いだしはしなか....
「獄中記」より 著者:大杉栄
市ヶ谷の巻 前科割り 東京監獄の未決監に「前科割り」という
あだ名の老看守がいる。 被告人どもは裁判所へ呼び出されるたびに、一と馬車(この....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
クさまが、手前の一命だけは助けてやらあ。さあ、いえ」 ヨコハマ・ジャックとは、
あだ名なのであろう。横浜にいたごろつきに違いない。 「……」 杉田二等水兵は、....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
かにも頼もしく見えましたので、巡礼ごっこのなかの案内者グレート・ハート氏という、
あだ名を、さっそくつけました。馬車が走り出したとき、いい前ぶれのように、ちょうど....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
る。人間の容貌をほめる為に、ひかる・かがやくなど言う言葉を使ったので、良い意味の
あだ名の様な名づけ方なのである。光君は桐壺帝の二番目の御子で、帝が次の天子の位に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
な体格と物すごい腕力とのおかげで、彼はブロム・ボーンズ(骨っぱりのブロム)という
あだ名で呼ばれ、どこへ行ってもその名で知られていた。彼は馬術については知識も腕前....
「影」より 著者:岡本綺堂
流れ渡って、唯今では熱海の松の家に巣を食って居ります。俗名はおつや、芸名は金八、
あだ名はがら金……。若しインチキだと思召すなら、念のために役場へ行って、戸籍の謄....
「おおかみと人」より 著者:小川未明
して、いつしか、だれいうとなく、りこう者の与助は、「臆病者の与助」と、みんなから
あだ名されるようになってしまったのであります。....
「青いボタン」より 著者:小川未明
、顔つきが、どこかきつねに似ていましたところから、だれいうとなく「きつね」という
あだ名にしてしまいました。 休みの遊ぶ時間になると、みんなは、女の子を取り巻い....