»
あまり
「あまり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
あまりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
を話しているのは愉しかったが、それから家へ歩いてゆくときの恐ろしさはそれを償って
あまりあるほどだった。おそろしいもの影が、雪の夜のぼんやりすさまじく光るなかで、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ルは学者としてはファラデーとは全く段が違うのである。この本も今日は絶版かと思う。
あまり厚い本ではなく、活字も大きい。青い表紙の本で、巻頭にファラデーの肖像がある....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
り「しかじかにて間違えられし」と告げれば、この巡査顔を知りたれば打笑いて、「貴公
あまりこの橋の上に永くぶらつかれるからだ。この人は投身を企つる者ではござらぬ」巡....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
けていた親友だった。やさしい微笑を面に湛え、私のほうに手をさし伸べている彼の姿が
あまりにまざまざと眼の前にあらわれたので、私は背中へ水でも浴びせられたようにぞう....
「狂女」より 著者:秋田滋
、こんどは、倦怠とでも云うのだろう、どうやら静かな症状がつづいて、さしもの彼女も
あまり動かなくなった。食事もろくろく摂ろうとはせず、ただ眼ばかりギョロギョロ動か....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
の隙に誰かに殺されたのだと申立てた。そんなことを誰が信じる。 十月二十八日――
あまりのことに度を失い、甥は犯さぬ罪を己の犯行として自白しかかった。ああ。正義よ....
「墓」より 著者:秋田滋
ではなくなってしまったのです。 断末魔の苦しみがつづいている間は、驚きと恐怖の
あまり、わたくしにはもう何がなにやら解らなくなり、落ついて物を考えることなどは出....
「初雪」より 著者:秋田滋
もの淋しい鴉の群はそこへ来て棲り、かしましく啼きたてる。こうして、かれこれ一時間
あまりの間、その鴉の群は梢から梢へ飛び移り、まるで喧嘩でもしているように啼き叫び....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
程暖いようですな。」
「さようでございます。こうして居りましても、どうかすると、
あまり暖いので、睡気《ねむけ》がさしそうでなりません。」
内蔵助は微笑した。こ....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
、あの二人の年若な侍たちが、どんなに慌て騒ぎましたろう。
いや、大臣様でさえ、
あまりの不思議に御驚きになって、暫くはまるで夢のように、髪長彦の凜々《りり》しい....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
しながら、疎《まばら》な髭《ひげ》を撫でて、こう云った。彼の顔のまわりには、十人
あまりの顔が、皆まん中に置いた燈火《ともしび》の光をうけて、赤く幕営の夜の中にう....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
いるように思われるのである。
海の水は、たとえば碧玉《ジャスパア》の色のように
あまりに重く緑を凝らしている。といって潮の満干《みちひ》を全く感じない上流の川の....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
恨《いこん》だったかも知れない。さらにまた伝うる所によれば、悪魔はその時大歓喜の
あまり、大きい書物に化《ば》けながら、夜中《よじゅう》刑場に飛んでいたと云う。こ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
いました。もちろんこの国の文明は我々人間の国の文明――少なくとも日本の文明などと
あまり大差はありません。往来に面した客間の隅《すみ》には小さいピアノが一台あり、....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
するのが斉広にとっては、かなり愉快な感じを与えた。――現に彼には、同席の大名に、
あまりお煙管が見事だからちょいと拝見させて頂きたいと、云われた後《あと》では、の....