»
ありそう
「ありそう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ありそうの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
ない。けれども一度お時儀をした以上、何かの機会にお嬢さんも彼も会釈をし合うことは
ありそうである。もし会釈をし合うとすれば、……保吉はふとお嬢さんの眉《まゆ》の美....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ンタアルでも読んで居ようと云うのですから、いよいよあすこに並べてある銅板画にでも
ありそうな光景です。そう云えばあの仏蘭西窓の外を塞《ふさ》いで、時々大きな白帆が....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
字欄《あじらん》の外には、見慣ない樹木が枝を張った上に、刺繍《ぬいとり》の模様に
ありそうな鳥が、何羽も気軽そうに囀《さえず》っている、――そんな景色を眺めながら....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
から、僕は歴史を書くにしても、嘘のない歴史なぞを書こうとは思わない。ただいかにも
ありそうな、美しい歴史さえ書ければ、それで満足する。僕は若い時に、小説家になろう....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
を懸けていらしった方々《かたがた》の間には、まるで竹取《たけとり》物語の中にでも
ありそうな、可笑《おか》しいことが沢山ございましたが、中でも一番御気の毒だったの....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
を持って行けば、案外すぐに受け取るかも知れない。」
若者は相手の云う事も、一理
ありそうな気がし出した。実際いかに高貴な物でも、部落の若い女たちが、こう云う色の....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
家だから、おい家賃はいくらすると訊いて見たが、なに存外安いよとか何とか、大に金の
ありそうな事を云ってすましている。それから、籐椅子に尻を据えて、勝手な気焔をあげ....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
間《ま》に合わない、間に合わない』と駈けまわっていました。」
老人「それはさも
ありそうですね。新年の大市も直《じき》ですから。――町にいる商人も一人《ひとり》....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
果を齎《もたら》すと云う事は、考えられない事でございましょうか。少くとも私はそう
ありそうな事だと存じます。まして、私の妻のような実例も、二三|外《ほか》に散見し....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
ました。友人たちは皆そのテエブルのまわりを囲みながら、
「ざっと二十万円くらいは
ありそうだね。」
「いや、もっと
ありそうだ。華奢《きゃしゃ》なテエブルだった日に....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
へよると酒の香がする。なんとなく、あの毛布の下に、ウォッカの罎《びん》でも隠して
ありそうな気がした。
二階の部屋をまわった平塚君の話では、五年の甲組の教室に狂....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
の報道が出ている。――そう云う今日、この大都会の一隅でポオやホフマンの小説にでも
ありそうな、気味の悪い事件が起ったと云う事は、いくら私が事実だと申した所で、御信....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
かにも、雨やみをする市女笠《いちめがさ》や揉烏帽子《もみえぼし》が、もう二三人は
ありそうなものである。それが、この男のほかには誰もいない。
何故かと云うと、こ....
「竜」より 著者:芥川竜之介
は鼻蔵《はなくら》が、もう昨夜《ゆうべ》建てた高札《こうさつ》にひっかかった鳥が
ありそうだくらいな、はなはだ怪しからん量見で、容子《ようす》を見ながら、池のほと....
「路上」より 著者:芥川竜之介
。どうして?」
「そうしたら、こうやって生きているより、もっといろいろ変った事が
ありそうな気がするの。あなたそう思わなくって?」
「私? 私は変った事なんぞなく....