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いじいじ
「いじいじ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
いじいじの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
ると、そこにあった大きな型定規のような木片《きぎれ》を取って、縮毛《ちぢれげ》の
いじいじした小野田の頭顱《あたま》へ投《なげ》つけないではいられなかった。
「こ....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
うめ! 配達屋を呼んで来い」
と存分に痰呵《たんか》を切ってやりたかった。彼は
いじいじしながら、もう飛び出そうかもう飛び出そうかと二の腕をふるわせながら青くな....
「風の便り」より 著者:太宰治
え、というケチな言葉も、その裏にはありはしないか。自分は、貧乏人根性は、いやだ。
いじいじして、人の顔色ばっかり覗《のぞ》いている。自分は君に、尊敬なんか、しても....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
きりにピッチをきざんでいる。 ぴかり――と、紫色の電光が、扉の間から閃いた。じ
いじいじいと、放電のような音もきこえる。 それにひきかえ、マカオ博士はなにをし....
「黴」より 著者:徳田秋声
れを直しておかなけア、大きくなって困りますよ。」 お銀は呆れたような顔をして、
いじいじした声で泣き出す正一を眺めていた。 「お前たちには、この子供の気質が解ら....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
の錠をはずした。 「どうぞ、おはいり下さい」 紫色の電灯がついている。なにかじ
いじいじいと妙な音がしている。よく見ると、電灯の下に、椅子に腰をかけている人間の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
行ってしまいました。 なんて、あの人は気の弱い人でしょう。このごろになって、一層
いじいじした様子が目立ってお気の毒でなりません。 全く、あの人を見るとお気の毒に....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
己の死すら感傷になれないのである。いわんや、他人をや。爪に灯をともすように、生涯
いじいじ小金を蓄えて死んで行った酷薄なる叔母の良人――
それよりは、武蔵はむし....
「雪の日」より 著者:近松秋江
て、胸がドキドキしていつまでも止まない、私あんまり吃驚させられて悔しかったから、
いじいじして大きな火箸を持って行って、遠くの方から火箸の尖で打ってやった。さんざ....