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「いの一番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

いの一番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
。そして、ついに二年前の昭和×年六月九日に、当時復活した所払《ところはら》いを、いの一番に適用されたので、やもなく騎西一家は東京を捨て、生地の弾左谿《だんざだに....
」より 著者:島崎藤村
出来なかった。こういう妹の許《ところ》へ、相応な肩書のある医者の養子が来た。腹違いの一番|年長《うえ》の弟、これも今では有望な医学士だ。山本さんだけは別物で、ど....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
の種類を加えて見ると、現在の東京にはどんな人間が居るかという事があらかたわかる。いの一番の筆頭は華族様、富豪なぞいう御方々で、東京では勿論の事、日本でも上流のパ....
雪の塔」より 著者:海若藍平
までも一つ残さず食べてしまいました。 御馳走が済むと五分間演説が初まりました。いの一番に飛び出したのは真《ま》っ黒々《くろくろ》の唐金《からかね》のお釈迦様で....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、貴下がこの静岡で、独逸語の塾を開くと云うから、早いでしょう、もう買って来たの。いの一番のお弟子入よ。ちょいと、リイダアと云うのを、独逸では……」 「レエゼウッ....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
たいだッて、たましいはあらア、ね」吉弥は僕の膝に来て、その上に手枕をして、「あたいの一番好きな人」と、僕の顔を仰向けに見あげた。 僕はきまりが悪い気がしたが、....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
官の一番偉い人が十貫目という字と私の顔を見比べて、どうかお大切になさいといって、いの一番で解放してくれたものである。 以来、私はもう死ぬかと思いつつもインド洋....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
の一番偉い人が十貫目と云う字と私の顔とを見比べて、どうかお大切になさいと云って、いの一番で解放してくれたものである。 以来、私は、もう死ぬかと思いつつ、印度洋....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
どうかは何人も知らないことなのだが、生徒間ではそれを信ずる者がなかった。大沢小使いの一番おそれていたのは体操の先生の阪本少尉であった、かれは少尉の顔を見るといつ....
田舎者」より 著者:豊島与志雄
果さしてやるために、その一助にだ、君の立合のもとに、マダムに結婚を申し込む。僕がいの一番で、そうだろう、先約なんだから、これからは、僕の承諾なしに、マダムには指....
家なき子」より 著者:楠山正雄
様子を見せたのはこれが初めてであった。 わたしは土曜日の朝早く裁判所に行って、いの一番に傍聴席にはいった。巡査とのけんかを目撃した人たちの多くがやはり来ていた....
家なき子」より 著者:楠山正雄
ルネをふいて、ほとんど息が出なくなった。 もう夜中を過ぎていた。いよいよおしまいの一番をやるときに、かれらが演芸に使っていた大きな鉄の棒がマチアの足に落ちた。....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
男ばかりの演舞であったがとうとう女役が登場しだした。見物はそれを待っていたのだ。いの一番にあらわれた神楽乙女は鈴子であった。 彼女は金色の冠をかぶり、千早を着....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
き立って見えるように趣向をする。縁起をかつぐ連中は午前一時頃から押し掛けて来る。いの一番に参詣して一年中の福徳を自分一人で受ける考え――朝はちょっと人が薄く、午....
雨夜続志」より 著者:田中貢太郎
れるところだったね」 「そうだなあ、曰く伊沢道之、曰く山田三造、そう云う壮士に、いの一番に覘われているところだったね」 二人は無邪気に笑い合った。婢が水こんろ....