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うそ
「うそ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
うその前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「良夜」より 著者:饗庭篁村
首を伸してこれを看守りたり。出立つ前に年寄の忠告にも、「旅は明日志す所へ着くとい
うその夜は誰も安心して必ず其所で竊みに逢うものなり」とありたれば、今宵こそ大事な....
「狂女」より 著者:秋田滋
まったのだった。 死と云うやつは、一たびどこかの家へ這入ると、それから後は、も
うその家の入口をすっかり心得てでもいるように、すぐまたその家を襲いたがるものらし....
「初雪」より 著者:秋田滋
欲のない男だった。こうして簡易な、健全な、穏やかなその日その日を送っていれば、も
うそれでよく、それ以外には望みというものを持っていない。 十二月のこえを聞く頃....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
何を商売にしているんだ?」 「占い者です。が、この近所の噂じゃ、何でも魔法さえ使
うそうです。まあ、命が大事だったら、あの婆さんの所なぞへは行かない方が好いようで....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
思議なほど色彩の鮮《あざやか》な記憶である。彼はその思い出の中に、長蝋燭《ながろ
うそく》の光を見、伽羅《きゃら》の油の匂を嗅ぎ、加賀節《かがぶし》の三味線の音《....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
いこう》の詩に「晴川歴歴《せいせんれきれき》漢陽樹《かんようじゅ》 芳草萋萋《ほ
うそうせいせい》鸚鵡洲《おうむしゅう》」と歌われたことのある風景ですよ。妙子はと....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
てい》の二階、時は六月のある雨の夜、――勿論《もちろん》藤井のこういったのは、も
うそろそろ我々の顔にも、酔色《すいしょく》の見え出した時分である。
「僕はそいつ....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
けました。
この声に胆をつぶして、一目散に土蜘蛛は、逃げ出そうとしましたが、も
うその時は間に合いません。「噛め」はまるで電《いなずま》のように、洞穴の外へ飛び....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
行った。
露柴は生《き》っ粋《すい》の江戸《えど》っ児《こ》だった。曾祖父《そ
うそふ》は蜀山《しょくさん》や文晁《ぶんちょう》と交遊の厚かった人である。家も河....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
と、何匹も水の中に浮いているんだ。」
「だから僕ははいらなかったんだ。」
「※《
うそ》をつけ。――だがもう海水浴もおしまいだな。」
渚《なぎさ》はどこも見渡す....
「運」より 著者:芥川竜之介
つ返事で、授《さず》けて頂くがね。」
「じゃ観音様を、御信心なさいまし。」
「そ
うそう、明日《あす》から私も、お籠《こもり》でもしようよ。」
(大正五年十二月)....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
口《きんぐち》を耳に挟《はさ》みながら、急に夏羽織の腰を擡《もた》げて、※々《そ
うそう》店の方へ退こうとした。その途端に障子が明くと、頸《くび》に湿布《しっぷ》....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
だったでしょう。何しろ背広は着て歩いていても、靴《くつ》の出来上って来た時にはも
うその代《だい》も払えなかったそうです。下《しも》の話もほんとうかどうか、それは....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
一場の口頭語として、深く気にも止めませんでしたが、今になって思い合わすと、実はも
うその言《ことば》の中に傷《いたま》しい後年の運命の影が、煙のように這いまわって....
「影」より 著者:芥川竜之介
」
「いいえ、御隣の坊ちゃんなんぞじゃなくってよ。何だか見た事があるような――そ
うそう、いつか婆《ばあ》やと長谷《はせ》へ行った時に、私たちの後をついて来た、あ....