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うろうろ
「うろうろ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
うろうろの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
姿を、いくら探しても見当らなかった。と云うよりもそれらしい女が、いつも人影の間に
うろうろしていた。そうしてその代りどれが本当の相手だか、さらに判別がつかなかった....
「白」より 著者:芥川竜之介
を眺めていました。
三
お嬢さんや坊ちゃんに逐《お》い出された白は東京中を
うろうろ歩きました。しかしどこへどうしても、忘れることの出来ないのはまっ黒になっ....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
台所へあがり奥へ通ったうちに梅子とお手伝いは夕食のしたくにせわしく、雪子もお児も
うろうろ遊んでいた、民子《たみこ》も秋子《あきこ》もぶらんこに遊んでいた。ただ奈....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に、向うの壁に充満の、偉なる全世界の地図の、サハラの砂漠の有るあたりを、清い瞳が
うろうろする。 「勿論早瀬は、それがために、分けて規律の正しい、参謀本部の方は、....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
。 「おッ母さん、着物はどこです、わたしの着物は」 省作は立ったまま座敷の中を
うろうろ歩いてる。 「おれが今見てあげるけど、お前なにか着替も持って来なかったか....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
。 おなじように、憑物がして、魔に使われているようで、手もつけられず、親たちが
うろうろしますの。村方一同寄ると障ると、立膝に腕組するやら、平胡坐で頬杖つくやら....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
直ぐに別れてまた一人、別な世話人とちょっと出遇う。中に一人落しものをしたように、
うろうろと、市女たちの足許を覗いて歩行くものもあって、大な蟻の働振、さも事ありげ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
なってしまいましてね。とんとんと裏階子を駆下りるほど、要害に馴れていませんから、
うろうろ気味で下りて来ると、はじめて、あなた、たった一人。」 「だれか、人が。」....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
い、どうしたのか急病で、仁右衛門が呻いていました。 さあ、切籠が迷った、白張で
うろうろする。 ト同じ燈籠を手に提げて、とき色の長襦袢の透いて見える、羅の涼し....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
様、何時です。」 「は。」 とお貞は起ちたるが、不意に顛倒して、起ちつ、居つ。
うろうろ四辺を見廻す間に、時彦は土間に立ちたるまま、粛然として帯の間より、懐中時....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
こへ連れて来たが、あの姿で坐っていた、畳もまだ湿っているだろうよ。」 と篠田は
うろうろしてばたばた畳の上を撫でてみまする。この様子に小宮山は、しばらく腕組をし....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
わ。」 「それでは私も。あの、若お師匠様おめでとう存じます。」 小親は取巻れて
うろうろしながら、 「お前達は何をいうのだ。」 「何でも、おめでたいに違いません....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の内部に根を張っている時のこと、臨終が近づいて、魂が肉のお宮を出たり、入ったり、
うろうろするようになりましては、それ等の一|切はいつとはなしに、何所かえ消える、....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
件の台所の隔ての障子。 柱に掴って覗いたから、どこへおいでることやらと、弥吉は
うろうろする内に、お縫は裾を打って、ばたばたと例の六畳へ取って返した。 両三度....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
咽喉で、ムウと呼吸を詰め、 「愛吉さんか、まあ、お入んなさい、煙草があります。」
うろうろ※す目が坐らず、 「おかみさんもお在でなさらあ、お入んなさい。」 「うン....