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おしゃれ
「おしゃれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
おしゃれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ちな人ねえ」
そう穏かにたしなめるらしい愛子の声が階下でした。
「でもそんなに
おしゃれしなくったっていいわ。おねえ様が早くっておっしゃってよ」
無遠慮にこう....
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
ざし》、百合《ゆり》みたよう。 ところへ、あとからつけまわす 猶太人《ジュウ》と
おしゃれのおべっか屋、 脇腹《わきばら》めがけて、ぶってやろと、 かわいそなジャ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たしかに申しましてござります」 「出かけたときの姿は?」 「日ごろからなかなかの
おしゃれ者で、残った金はみな衣装髪のものなぞへ張りかけるほうでござりましたゆえ、....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
はならないぞ。苦悩を突き詰めた先こそ疑いもない美だ。そしてお前の一族の家霊くらい
おしゃれで、美しいものの好きな奴はないのだから――」 読書もそう好きでなし、思....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
じられた。 「人生の旅人か。」 私は増野氏のいった言葉を思い出して、この若い、
おしゃれな「おきぐらぷすす」の後姿をいつまでも眼で追っていた。 「これは驚いた。....
「火星兵団」より 著者:海野十三
、わしの後へ廻って、髪をつんでくれ」
博士は、妙なことをいいだした。
「博士、
おしゃれをするのですか。ぼくには、髪床やさんは、できません」
「なあに、わけなし....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
ましたが、玄関でみた彼は、うすっぺらの背広をきていてネクタイがゆがんでおります。
おしゃれをして来たのかもしれませんが、東さんは断然、あの着流しがいいのに。 「ど....
「物のいわれ」より 著者:楠山正雄
おかあさんの死んだ知らせが来ても、鏡に向かって紅をつけたり、おしろいをぬったり、
おしゃれに夢中になっていて、とうとう親の死に目に合わなかったものですから、神さま....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
とったし、またお昼からはお使いをしたし、しんぼうづよく、みんなのお給仕もしたね、
おしゃれもしなくなったし、指にはめているきれいな指輪のことも口に出さなかったね。....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
るでもなしにぶらぶらしているような男――彼はそうした種類の人間であった。彼はやや
おしゃれで、しかもどことなく風変わりなところがあった。こういったふうの人間は大抵....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
まったものと見え、手に手に花束をさげていた。ここでもやはり際立って目につくのは、
おしゃれなヤールタの群衆に見られる二つの特色だった。年配の婦人達の若作りなことと....
「暗号数字」より 著者:海野十三
ずに眼を光らせていなくちゃならないんだからね。昔のように自分の趣味から割りだした
おしゃれの服装をしていたんじゃ、魚がみな逃げてしまう」 と、俗っぽい服装の弁を....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
朱く輝く瑠璃色の斑点を鏤めたように浮かせ、あまたの魚類のうちで岩魚は、まれに見る
おしゃれであるのである。その麗容な岩魚の泳ぐ大きな姿を、晩秋の水の澄んだ真昼に、....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
の午前五時頃まで皆が踊り抜いているのだという。こういう歓楽場があり、有閑婦人や、
おしゃれ息子や金持ちがゆくところとみえる。一方にはこんなところがあって、とても貧....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
顔をして、鶴のような瘠せ首をぐいと伸ばしながらたっぷり半時間は鏡の前を動かずに、
おしゃれと癖をつけ、香水を胸に振りかけ、ネクタイを蝶形に結び、手袋をはめ、シルク....