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「おぼこ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

おぼこの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
が、やがてあいまいに口の中で、 「えゝ」 とだけつぶやいて黙ってしまった。そのおぼこさ……葉子は闇《やみ》の中で目をかがやかしてほほえんだ。そして岡をあわれん....
或る女」より 著者:有島武郎
あなたが同じ年ごろで、――たいへん美しいというためばかりじゃないと(その時古藤はおぼこらしく顔を赤らめていた)思っています。五十川さんなぞはなんでも物を僻目《ひ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
しじゃが、あの、お松というのが、また悪く下情に通じておって、ごうなや川蝦で、鰺やおぼこの釣れないことは心得ておるから。これで魚屋へ寄るのは、落語の権助が川狩の土....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
こいらで、よく釣ってるが何が釣れる。」 船顎、 「沙魚に鯔子が釣れます。」 「おぼこならば釣れよう。」と縞の羽織が笑うと、舷に肱をついたのが向直って、 「何あ....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
、話の一歩を進めてお互に明放してしまうことが出来るのである。しかしながら真底からおぼこな二人は、その吉野紙を破るほどの押がないのである。またここで話の皮を切って....
」より 著者:上村松園
るところに、その都市都市の好みがうかがえて面白い。 達磨返し、しゃこ結び、世帯おぼこ、三ツ葉蝶、新蝶大形鹿子、新蝶流形、新蝶平形、じれった結び、三ツ髷、束ね鴨....
売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
工夫」に気付くと卒然と彼女の勇気が倍加した。 リゼットは鋸楽師の左の腕に縋っておぼこらしく振舞うのであった。孤独が骨まで浸み込んでいる老楽師はめずらしく若い娘....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
。しかし、どんなにやかましい注意をうけても、今度が初めての店出《みせだ》しというおぼこ娘のお染には、どうしていいかちっとも見当がつかなかった。江戸の侍の機嫌を損....
花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
ほど舞台で剣のすごみと、必死のまなざしに輝いた筑波澄子さんとはとても思いもつかぬおぼこな姿。こんな可愛いい、優しい座頭なんて見たことがない。筑波さんの美しい襟足....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
さあ行こう」弁天の松代は意気込んだ。「思案している時じゃアない。桔梗様には処女《おぼこむすめ》だ。一刻半時の手違いで、取り返しの付かない身ともなる。それこそ泣い....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
らず参っている有様は、実際不思議だった。彼は五十三の老人とは見えなかった。彼は、おぼこい二十歳の青年のように、少女の魅力に悩まされ切っているところがあった。 ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ます。 メフィストフェレス(独語。) ふん。憎い程おぼこだなあ。 (声高く。) いや。どなたも御機嫌好う。 マルガレエ....
風流仏」より 著者:幸田露伴
それではならぬ、さりとては百両|投出て七蔵にグッとも云わせなかった捌き方と違っておぼこな事、それは誰しも耻かしければ其様にまぎらす者なれど、何も紛すにも及ばず、....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
してみると――」 「ほかに契り合うた恋人があったというのじゃな」 「へえい。まだおぼこじゃ、おぼこじゃと思うて、気を許していたうちに、いつのまにか、親の目をかす....
純情狸」より 著者:佐藤垢石
はずかしいわ。 仙公は、小みどりをわが室へ招じ入れたのである。小みどりは、まだおぼこであるとはいえ宴席へ侍るのがしょうばいであるから世の生娘とは違って、大して....