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お上
「お上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
らつ》で、かつ一番|諧謔《かいぎゃく》に富んでいた。
「能勢《のせ》、能勢、あの
お上《かみ》さんを見ろよ。」
「あいつは河豚《ふぐ》が孕《はら》んだような顔をし....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
松町にいる絵具屋である。死んだのは四十五で、後には痩せた、雀斑《そばかす》のある
お上《か》みさんと、兵隊に行っている息子とが残っている。暮しは裕《ゆたか》だと云....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
たしにはわかりません。ただ鮨屋《すしや》に鰻屋《うなぎや》を兼ねた「お」の字亭の
お上《かみ》の話によれば、色の浅黒い、髪の毛の縮《ちぢ》れた、小がらな女だったと....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
そわ店から帰って来た。
「今お前の家《うち》から電話がかかったよ。のちほどどうか
お上《かみ》さんに御電話を願いますって。」
賢造はお絹にそう云ったぎり、すぐに....
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
市村の麦わら帽子、細長いのは中塚の浴衣《ゆかた》であった。黒いものは谷の底からな
お上へのぼって馬の背のように空をかぎる。その中で頭の上の遠くに、菱《ひし》の花び....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
書いた赤提燈が、一ぱいに大きく下っている――その店先へ佇《たたず》んで、荒物屋の
お上さんと話しているのは、紛《まぎ》れもないお敏だろうじゃありませんか。二人は思....
「或る女」より 著者:有島武郎
質でしょう。どうもわたしにはなんともいいなだめようがないのですよ。内田があなたを
お上げ申したのが不思議なほどだとわたし思いますの。このごろはことさらだれにもいわ....
「或る女」より 著者:有島武郎
、うつろな目で倉地の顔をじっと見入った。
「どうだった寒かったろう。まあこっちに
お上がり」
そう倉地はいって、そこに出合わしていた女中らしい人に手ランプを渡す....
「星座」より 著者:有島武郎
…いた、……痛いですよ、奥さん」
「あなた今日は本当にどうかしているわね……さあ
お上りなさいな」
渡瀬は奥さんの手のさわったところをさすりながら、情けなくなっ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
けていた神経のもどかしい感じがさらにつのるのを覚えた。 「さ、ま、ずっとこっちに
お上がりなすって」 農場の男は僕の客だというのでできるだけ丁寧にこういって、囲....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
りのほかに「てつ」という女中が一人あった。この女中はのちに「源さん」という大工の
お上さんになったために「源てつ」という渾名を貰ったものである。 なんでも一月か....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
大江家の一人娘が何故他家へ嫁いだか、と仰せでございますか……あなたの誘い出しの
お上手なのにはほんとうに困って了います……。ではホンの話の筋道だけつけて了うこと....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
だ骨が這入っているのである。そうしてこの巻骨の障子骨は丈夫で良い凧としてある。な
お上等の凧は、紙の周囲に糸が這入っているのが例である。 糸は「いわない」またの....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
も子 (人々から顔をそむけ)では始めてよ。……花田さん、あなたは才覚があって画が
お上手だから、いまにりっぱな画の会を作って、その会長さんにでもおなりなさるわ。お....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
に度々「富士見の渡し」を渡って行った。その親戚は三遊派の「五りん」とかいうものの
お上さんだった。僕の家へ何かの拍子に円朝の息子の出入りしたりしたのもこういう親戚....