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お中
「お中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
し、そればかりではありません。 ――片原の町から寺へ来る途中、田畝畷の道端に、
お中食処の看板が、屋根、廂ぐるみ、朽倒れに潰れていて、清い小流の前に、思いがけな....
「河口湖」より 著者:伊藤左千夫
たずねてきて、さびしい宿屋に天平式美人を見る、おおいにゆかいであった。 娘は、
お中食のしたくいたしましょうかといったきり、あまり口数をきかない、予は食事してか....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
分の頭はまるで二つの柱に立てかけた地球儀のようであった。 「彼等二人は、ちょうど
お中食をしているに違いない……」と彼は思った。「テーブルの上には真白な布が敷かれ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
のと言ううちに、あすからはいよいよ放免の月だ。寒いも暑いも彼岸までと言うが、その
お中日の翌日、二十二日は放免だ。どうかあまり待たずに早くその日が来てくれればいい....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
』 おさき『開山聖人さま御正忌会のお※夜も近々。御影堂は立派にお出来申したのに、
お中身の開山聖人さまのあの御影像が無くて御報恩講が勤まりましょうか。お上人さま始....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
こうとするのを、半七は制した。 「まあ、待ちなせえ。疵でも付けると面倒だ。そこで
お中間、おめえはまったくこの一羽を取っただけかえ」 「あたりめえよ。部屋へ持って....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はこうこう云うわけでお暇になったと白状いたしました。相手はどんな人か知らないが、
お中間なんぞと係り合ったところで行く末の見込みは無いと、女房からも私からもよくよ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
面にジェ・リンボチェの金泥の画像がかかってある。そういうような室は幾室もあり、な
お中に見ることを許されない室も沢山ございました。それらは中に何がありますか、法王....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
巻七号一二頁)の記事は、当然訂正せねばならぬが、今のところその確証はない。 な
お中尾のことについては、森口君から左の注意と意見とを寄せられた。 (上略) 五箇....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
楓の死骸は侍臣たちによって、館の方へ運ばれた。 「不思議だのう」と呟きながら、な
お中納言家は佇んでおられた。 その間には侍臣や腰元たちは、楓を殺した敵らしいも....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ます。
(庭にて三人卓を囲みて坐す。)
媼
なぜあなたは黙っていて、
お中が透いていましょうに、
一口も物を上がりませんか。
翁
あの不思議な....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
いつつも、多少きまり悪さを感じていたのであるがこの日は思切って木戸銭を払った、な
お中銭という無意味な金まで取られて穢い幕をくぐると、中には丁度洗湯位の浴槽に濁っ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
村君に拠ると、椈倉峠から小黒部に下る谷は、中ノ谷と呼ばれているとのことである。尚
お中村君は、折尾谷は小黒部谷の支流ではなく、黒部川に直注する沢の名であることを話....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
てからは、途は前ほどに均らされておらず、木の根岩角は、旧道のおもかげを存して古の
お中道が、断絶された凧の糸のように、頭上に懸かっているのが指さされる。石楠花は依....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
《ぶぎょう》さまのお手元金だよ。これまでのてがら金だといって、きのう五十両ばかり
お中元にくだすったのでね、おれのてがらはおめえのてがらなんだから、半分そっちへお....