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「お伽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

お伽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おぎん」より 著者:芥川竜之介
七《まごしち》の家《いえ》へはいって来た。孫七の家には大きな囲炉裡《いろり》に「お伽《とぎ》の焚《た》き物《もの》」の火が燃えさかっている。それから煤《すす》び....
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
どう云う運命に逢着《ほうちゃく》したか、それを話すことは必要である。なぜと云えばお伽噺《とぎばなし》は全然このことは話していない。 いや、話していないどころか....
少年」より 著者:芥川竜之介
笑い出した。この仏蘭西《フランス》人の笑う様子《ようす》はちょうど人の好《い》いお伽噺《とぎばなし》の中の大男か何かの笑うようである。少女は今度はけげんそうに宣....
或る女」より 著者:有島武郎
輪のように集まった。葉子がそういう人たちをかたみがわりに抱いたりかかえたりして、お伽話《とぎばなし》などして聞かせている様子は、船中の見ものだった。どうかすると....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
たが。――実は、雪の池のここへ来て幾羽の鷺の、魚を狩る状を、さながら、炬燵で見るお伽話の絵のように思ったのである。すわと言えば、追い立つるとも、驚かすとも、その....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
て片端から追払うが、弱ったのはこの少年じゃ。 顔容に似ぬその志の堅固さよ。ただお伽めいた事のみ語って、自からその愚さを恥じて、客僧、御身にも話すまいが、や、こ....
海の使者」より 著者:泉鏡花
だね」 「いずれ怪性のものです。ちょいと気味の悪いものだよ」 で、なんとなく、お伽話を聞くようで、黄昏のものの気勢が胸に染みた。――なるほど、そんなものも居そ....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
っとこの崖の半腹にありましょうよ。……そこの高欄におしかかりながら、月を待つ間のお伽にとて、その坊さんが話すのですが、薗原山の木賊刈、伏屋里の箒木、更科山の老桂....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ではなけれど、この恋の行方は分らない。が、対手が牛乳屋の小僧だけに、天使と牧童のお伽話を聞く気がする。ただその玉章は、お誓の内証の針箱にいまも秘めてあるらしい。....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
る。 お泊宿から、水道橋の方へ軒続きの長屋の中に、小さな貸本屋の店があって……お伽堂……びら同然の粗な額が掛けてある。 お伽堂――少々気になる。なぜというに....
縁結び」より 著者:泉鏡花
額堂にゃ、古から評判の、鬼、」 「ええ、」 とまた擦寄った。謙造は昔懐しさと、お伽話でもする気とで、うっかり言ったが、なるほどこれは、と心着いて、急いで言い続....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
息つきたり。可哀なるこの物語は、土地の人|口碑に伝えて、孫子に語り聞かす、一種のお伽譚なりけるが、ここをば語るには、誰もかくすなりとぞ。婦人もいま悲しげなる小銀....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
しく撮み出した、指の爪の長く生伸びたかと見えるのを、一つぶるぶると掉って近づき、お伽話の絵に描いた外科医者という体で、震く唇に幽に見える、夫人の白歯の上を縫うよ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
間の世界には、浦島太郎という人が竜宮へ行って乙姫さまのお婿様になったという名高いお伽噺がございますが、あれは実際あった事柄なのでございましょうか……。』 する....
式部小路」より 著者:泉鏡花
が取れるから、それでも食って、病院だから酒は不可んが、夜とともに二人で他所ながらお伽をする気だ。 そうして貴下が、仏像の前で、その言行録を誦する経文だといった....