» お冠

「お冠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

お冠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
って、媼はなおあとへ残るから、 「お前様は?」 お誓が聞くと、 「姫神様がの、お冠の纓が解けた、と御意じゃよ。」 これを聞いて、活ける女神が、なぜみずからの....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
うに頭をもたげて這い出して来て、若い女に話しかけた。 「お花さん。姐さんはひどくお冠《かんむり》が曲がっているね」 「おお曲がり。毎日みんなが呶鳴られ通しさ。や....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
を述べたまま久しくお蔵になっていたのだからな。その連詞が問題となり鼻高の幸四郎がお冠を曲げえらい騒ぎになりかけたものだ。なるほど、それを持ち出して上覧に入れよう....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
難有い上沓の裏に御接吻なさって、 御威勢の本になる権利をお受になって、 それからお冠を貰いにおいでになったとき、 一しょに坊様の帽子をも持ってお帰になった。 そ....
古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
神はその川の岸へつえをお投げすてになり、それからお帯やお下ばかまや、お上衣や、お冠や、右左のお腕にはまった腕輪などを、すっかりお取りはずしになりました。そうす....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
なったという話なのでした。 「何でもその道風とやらは、公卿の次男坊だそうだから、お冠でも着ていたかも知れない。そんな男の記憶はないかしら。」 「ある。ある。やっ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らなければやれませんなあ」 といってもて囃《はや》す。 仏頂寺弥助は、いよいよお冠《かんむり》を曲げて、 「ばかばかしくって、見ちゃあいられない」 連れがな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ないということは、中にたずねる人が存在していないということではなく、たずねる人がお冠《かんむり》を曲げてお拗《す》ねあそばしているから、それであらたかな御返しが....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しようとは思わなかったよ」 「はい」 何を言っても、はいはいだから、米友が少しお冠《かんむり》を曲げ出しました。何を言っても、はいはい聞いてくれることは有難い....
魔都」より 著者:久生十蘭
に付き纒われて、それで遅くなったのだァ」 と弁解がましく述べたが、踏絵はだいぶお冠の体で横を向いたまま返事もしない。山木はその方へ尖った顎を突出し、 「ねえ、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いるYが、自動車自分でかりて儲けたいのね。そこをこっちへ人を入れたんで、いくらかお冠りらしく、自分が雇えばお気に入りのTが、宮本にいるとお気に入らずのTだという....
火のついた踵」より 著者:宮本百合子
―(意味を解しかねて谷の顔を見る) 谷 僕が、あなたに勝手な熱を吹くと思って、お冠を曲げたのですよ。然し……あの男の思うほど、僕は「不良」じゃあありませんよ。....
森の石松」より 著者:山中貞雄
かい、次郎長にはそんないい児分がありますかい」 源兵衛、酌をしてやる。 旅人お冠り真ッ直ぐです。 「あるとも、代貸元をつとめる人が二十八人、是を唱えて清水....
押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
と叱りつけましたので、お父様は又慌ててお炬燵へお這入りになって、頭から蒲団をお冠《かぶ》りになりました。そのために炬燵の櫓《やぐら》が半分丸出しになって、そ....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
明の出来ないものは一毫も相容れない性分であったので、八代大将の松葉喰いの話で少々お冠を曲げて御座るところへ、湊屋一流の無学文盲論が舞込んで来たのでまさか議論の相....