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お冷
「お冷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お冷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
とくにしたが、口に微笑が含まれて、苦しくはない様子。 「沢山、そんなことを云って
お冷かしなさいまし。私はもう下りますから、」 「どちらで、」 と遠慮らしく聞く....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
肩に消えて、池の欄干を伝う、緋鯉の鰭のこぼれかかる真白な足袋はだしは、素足よりな
お冷い。で……霞へ渡る反橋を視れば、そこへ島田に結った初々しい魂が、我身を抜けて....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
びに、ひやひやと身うちへ応えますで、道理こそ、一雨かかったと思いましたが。」 「
お冷えなさるようなら、貴僧、閉めましょう。」 「いいえ、蚊を疵にして五百両、夏の....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
すくめて言った。 「ほんに気がつかずに居りました。お二人ともそのぬれた召し物では
お冷えなさりましょう。まずお召し替えをなされませ」 お時は戸棚の古葛籠《ふるつ....
「父帰る」より 著者:菊池寛
折れ合っているんやけに、たいていのことは我慢してくれたらどうです。 賢一郎 (な
お冷静に)おたあさんは女子やけにどう思っとるか知らんが、俺に父親《てておや》があ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
吾輩のここに民権論派の一種として算え来たれるゆえんなりとす。 氷にあらずしてな
お冷やかなるものあり、火にあらずしてなお熱なるものあり、今火ならざるをもって熱に....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
また水盤をお傾げになる。するとご神水がタラタラと落ちる。今度は妾の胸へかかる。お
お冷たい、身に沁みるようだ! 急に心が清々しくなる。破壊れた妾の二つの乳房が、す....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
じゃないかい? どうしてお前さんたちは要るものを取りに行かないんだよ? 嗅塩と、
お冷と、お酢と★を速く持って来ないと、思い知らしてあげるよ。いいかね!」 それ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
があいたものでしたから、それからあとはつねに不死身の頭の役で――、ひんやりと夏な
お冷たき怪みたっぷりの古井戸へ、するするとなわを伝わりながら降りていったと思われ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
それにとつぜん参りましたら、お気の小さいお女中がたでござりますゆえ、さぞかし肝を
お冷やしなさるであろうと存じまして、特に前もってお吹聴願いたいのでござります。い....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ぴんの部類です。 「繁盛だな……」 「いらっしゃい。どうぞ、さあどうぞ。そこでは
お冷えなさいます。こちらへお掛けなさいまし」 あいきょうがまたばかによい。こぼ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
京弥か」 「はッ」 「菊に用なら、ここには見えぬぞ」 「何かと言えばそのように、
お冷やかしばかりおっしゃいまして、――お目醒めにござりますれば、殿様にちと申し上....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
て宜しゅうございます」 とつか/\と雪隠へ這入り頓て出て参って、 女「あの少し
お冷水を頂き度いもんでございます、此処に有るのを頂いても宜しゅうございましょうか....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
忠「姐《ねえ》さん、お気の毒でございますが水が飲みとうございますから、冷たい
お冷水《ひや》を一杯戴きたいもので」 庄「これ水を上げるが宜しい」 娘が水を....
「古木」より 著者:豊島与志雄
いの看護婦に促されて、巳之助は我に返り、床に就きました。湯たんぽを入れた足先にな
お冷たい感じがあり、胸元に熱苦しい感じがありました。それを意識から追い払うように....