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お情
「お情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お情の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
い申上げます。こんな山家の女でも、心にかわりはござんせん、願を叶えて下さいまし。
お情はうけませんでも、色も恋も存じております。もみじを御覧なさいまし、つれない霜....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ましたけれど、盲に何が見えると、帳場で笑いつけて火を貸しません、どうぞお慈悲……
お情に。)と、それ、不具根性、僻んだ事を申しますて。お上さんは、もうお床で、こう....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
来て届かねえ介抱をしてみたが、いや半間な手が届いたのもお前の運よ、こりゃ天道様の
お情というもんじゃ、無駄にしては相済まぬ。必ず軽忽なことをすまいぞ、むむ姉や、見....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
屋の姉えに、藪の前で、牡丹餅半分分けてもろうた了簡じゃで、のう、食物も下されば、
お情も下さりょうぐらいに思うて、こびりついたでござります。 弁天様の御姿にも、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
す。また婆さんが出て、昨夜は帰りました、その事をいって聞かせると、なおのことその
お情に預っては、きっと取って来て差上げずにはと、留めるのも肯かないで行ったといい....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
は起さずに早うここを退《の》かっしゃい、助けられたが不思議なくらい、嬢様別しての
お情じゃわ、生命冥加《いのちみょうが》な、お若いの、きっと修行をさっしゃりませ。....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
飛交う螽の翠に。―― 「いや、松葉が光る、白金に相違ない。」 「ええ。旦那さんの
お情は、翡翠です、白金です……でも、私はだんだんに、……あれ、口が裂けて。」 「....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
片腹痛さもかくのごときは沢山あるまい。 婆さんは額の皺を手で擦り、 「はや実に
お情深い、もっとも赤十字とやらのお顔利と申すこと、丸顔で、小造に、肥っておいで遊....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
命を取りましょう。私と一所には、いつまでもお活きなさいまし。 図書 (急きつつ)
お情余る、お言葉ながら、活きようとて、討手の奴儕、決して活かしておきません。早く....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
更に拝んで、「手足に五寸釘を打たりょうとても、かくまでの苦悩はございますまいぞ、
お情じゃ、禁厭うて遣わされ。」で、禁厭とは別儀でない。――その紫玉が手にした白金....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
癖に。近常さんが、(身投と間違えられましたか。)……そうではない。――(よそ様の
お情で、書生をして、いま東京で修行をしている伜めが、十四五で、この土地に居ますう....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
おっしゃるのは一々ごもっともで、重々わたしが悪うございますが、おとッつさんどうぞ
お情けに親不孝な子を一人捨ててください」 おとよはもう意地も我慢も尽きてしまい....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
枝は、道子夫人の手になる手箱に、そっと頬ずりをして、 「でもここに、奥様のあつい
お情のこもった手箱がございますので、房枝は、どんなにか、なぐさめられているのでご....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
美少年に試みようとした。 「この上は是非御座りませぬ。御心委せに致しまする。が、
お情けには、人に見られぬ処にて、お仕置受けましょう。ここは未だ山の者の往来が御座....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
の無心として、父上にお願いします。もし私のような不孝児でもなお一片子として思うの
お情けがありますならば、また私をして単純なる謀反人としてこの身を終らしめず、なお....