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お拾
「お拾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お拾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
へ、ごそりとも言わず消えたげにござりますがな。 確に、カチリと、簪の落ちた音。
お拾いなすった間もなかったがと、御老体はお目敏い。……翌朝、気をつけて御覧なさる....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
って、御自分に御精魂な、須弥磐石のたとえに申す、芥子粒ほどな黒い字を、爪紅の先に
お拾い下され、その清らかな目にお読みなさって……その……解りました時の嬉しさ。 ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
……」 多一は片手に胸を圧えて、 「御寮人様は申すまでもござりません、大道から
お拾い下さりました。……また旦那様の目を盗みまして、私は実に、畜生にも劣りました....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
、ずいぶん古い新聞なのね」 と、溜息と共にいった。 「こんな古新聞紙を、どこで
お拾いになったんですの」 「おれのポケットに入っていたんだ。その前には、この中国....
「兜」より 著者:岡本綺堂
忘れていたのであった。 「ああ、あれか。あれは途中で拾って来たのだ。」 「どこで
お拾いなさいました。」 「根岸の路ばたに落ちていたのだ。どういう料簡で拾って来た....
「小公女」より 著者:菊池寛
いものだったにちがいない、と思いました。 「どう致しまして、私落しはしませんよ、
お拾いなすったの?」 「ええ、溝の中に落ちてたの。」 「じゃア、遣ったってかまわ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
き付けて、幾個《いくつ》か往来へ落としたが、ひょっとかするとその一つを、一式様が
お拾いになり、それからそれと手蔓を手繰《たぐ》り、ここをお突き止めなされたのかも....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
イ」といったがニッコリと笑い、「ああそれではあなた様は、鞘に封じたあの方の文を、
お拾いなされたのでございますね。それでここへあの方を、助けにおいでなされたので。....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
》のうちから降りやんでいるんですよ」 「じゃ、遠くもねえところだ。眠けざましに、
お拾いで参るとしようぜ。龕燈《がんどう》の用意をしてついてきな」 じゃのめを片....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
」 「背中の向いている方から参ったのよ。何じゃ」 「財布でごぜえます、もしや道で
お拾いにはならなかったでござんしょうかしら?……」 「知らぬぞ。いかが致したのじ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
広大壮麗言うばかりない大伽藍です。 「ここからはお乗物さし止めでござりますゆえ、
お拾いにてどうぞ。手前御案内いたしまするでござります」 山門のまえで乗物をとめ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
文這入って居りますので」 と打返し見て、 重「これでございます、あなたがこれを
お拾いなさるというは誠に不思議なことでございます」 仙「そればかりじゃアねえ、よ....
「二人の兄弟」より 著者:島崎藤村
を見て居ましたが、 「なんとこの榎木の下には好《い》い実が落ちて居ましょう。沢山
お拾いなさい。序《ついで》に、私も一つ御褒美《ごほうび》を出しますから、それも拾....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
首飾りの玉と、八咫の鏡という神々しいお鏡と、かねて須佐之男命が大じゃの尾の中から
お拾いになった、鋭い御剣と、この三つの貴いご自分のお持物を、お手ずから命にお授け....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
なかった。 「私はあなたの召使じゃありません。」と彼はぞんざいに叫んだ。「自分で
お拾いなさい。」 ミンナは息がつまった。にわかに腰掛から立ち上がった。腰掛は倒....