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お札
「お札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お札の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
身投げをした。――あの屍骸《しがい》がどうしても上らなかったんだが、お島婆さんに
お札《ふだ》を貰って、それを一の橋から川へ抛りこむと、その日の内に浮いて出たじゃ....
「ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
うことになりました。そうしてたのしくくらしました。毎晩、仮装舞踏会へでかけたり、
お札でたこをはってあげたり、小石の代りに、金貨で海の水を打ってあそんだりしました....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、と書いて、口の裂けた白黒まだらの狗の、前脚を立てた姿が、雨浸に浮び出でて朦朧と
お札の中に顕れて活るがごとし。それでも鬼が来て覗くか、楽書で捏ちたような雨戸の、....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
れます。しかし、何だかうら寂しい。 翌日は、巳の時ばかりに、乗合六人、石動山の
お札くばりの山伏が交って、二人船頭で、帆を立てました。石崎、和倉、奥の原、舟尾、....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
って、その裁判長の家に落着く。医者では不可ん、加持祈祷と、父親の方から我を折って
お札、お水、護摩となると、元々そういう容体ですから、少しずつ治まって、痙攣も一日....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
の、提灯が出ないと、ご迷惑でも話が済まない――) 信仰に頒布する、当山、本尊の
お札を捧げた三宝を傍に、硯箱を控えて、硯の朱の方に筆を染めつつ、お米は提灯に瞳を....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ひっくりかえしていたが、やがて気がついて、その小袋をあけて、中に入っていた神社の
お札を出し、それから小袋の裏をひっくりかえして見た。そこには、大きなおどろきが待....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
たくさんの神社のお護《まも》り札《ふだ》が、所もせまく張りつけられてあった。その
お札には、“四月三日祈願”という具合に、一つ一つ日附が書いてあった。また函の一番....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
の門琴平さまの朝詣りの帰りに寄ったという魯八は、国太郎の命令でそそくさとみやげの
お札もそこへ忘れ、急いで店先から出て行った。 二 陽が射して....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いて江戸を出ながら、品川で昼遊びをしている。昔はそういう連中のために、大師河原の
お札が品川にあったり、堀ノ内のお洗米が新宿に取り寄せてあったりして、それをいただ....
「蛍」より 著者:織田作之助
たして翌る年の暮近いある夜、登勢は坂本|遭難の噂を聴いた。おりから伏見には伊勢の
お札がどこからともなく舞い降って、ええじゃないか、ええじゃないか、淀川の水に流せ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
た。その都度叱られながら、だんだん来客や電話に怠慢になって来た。会計課の老人が、
お札を三度も四度も数え直すことや、一銭でも神経を使って、ビリビリ叱言を言ったり、....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
ええ、云いますとも」 蓬莱和子は、ハンドバッグをあけ、伝票と共に、カウンターに
お札をつきつけると、仁科六郎に挨拶もしないで喫茶店を出た。彼女は、自分が興奮して....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
一、二の頃だった。私は一人戸郷川という村境いの川堤を歩いていたら、目の前の流れに
お札が一枚漂うて来た。私は川べに下りてそれを拾って見ると、木山大明神というのだっ....
「海賊と遍路」より 著者:黒島伝治
かけて但馬、美作、備前、讃岐あたりから多くの遍路がくる。菅笠をかむり、杖をつき、
お札ばさみを頸から前にかけ、リンを鳴らして、南無大師遍照金剛を口ずさみながら霊場....