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「お爺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

お爺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
親ごころ」より 著者:秋田滋
毛が黒いし、背丈もたかいし、それに立派な旦那のようななりをしているねえ。だけど、お爺さん、ごらんよ、あの顔はお前さんの若い時分の顔にそッくりだよ」 老人はそう....
」より 著者:芥川竜之介
らしい。…… 翁《おきな》が返事をしないので、青侍はまた語を継《つ》いだ。 「お爺《じい》さんなんぞも、この年までには、随分いろんな事を見たり聞いたりしたろう....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
》の柳や槐《えんじゅ》の陰に、その舟を見送っていたのである。 「お婆さん。」 「お爺さん。」 「まずまず無事に芝居もすむし、こんな目出たい事はないね。」 「ほん....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
。 そこへ丁度顔を出したのはまるまると着膨《きぶく》れた武夫だった。 「やあ、お爺さんがあんなことをしていらあ。」 武夫はこう囃《はや》しながら、一散に茶の....
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
んが一人、日本中《にほんじゅう》の子供の知っている通り、柴刈《しばか》りに行ったお爺《じい》さんの着物か何かを洗っていたのである。…… 二 桃から生れた桃....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
にひょっくりとその姿を現わしたのですから、その時の私のうれしさ、心強さ! 『まあお爺さまでございますか!』私は覚えず跳び起きて、祖父の肩に取り縋って了いました。....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
騙されてしまった。 「ほう、お前は別に物凄いような顔をしていないではないか。好いお爺さんだ。もしも恐怖というものがこんなに愉快な、むしろ尊敬すべき風采を具えてい....
」より 著者:池谷信三郎
うなので、顔を赤くして困っていた。孫に好かれたい一心で、玩具の喇叭を万引しているお爺さんがいた。若いタイピストは眼鏡を買っていた。これでもう、接吻をしない時でも....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
これも信玄袋を手に一つ。片手に杖は支いたけれども、足腰はしゃんとした、人柄の可いお爺様。 「その捻平は止しにさっしゃい、人聞きが悪うてならん。道づれは可けれども....
縁結び」より 著者:泉鏡花
あさあ、ささっしゃい。」 「済みませんねえ、」 と顔を赤らめながら、 「でも、お爺さん、あなたお濡れなさいましょう。」 「私は濡れても天日で干すわさ。いや、ま....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
て傾いた。 社の神木の梢を鎖した、黒雲の中に、怪しや、冴えたる女の声して、 「お爺さん――お取次。……ぽう、ぽっぽ。」 木菟の女性である。 「皆、東京の下町....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
を感じたものだという。げええ。大なおくび、――これに弱った――可厭だなあ、臭い、お爺さん、得ならぬにおい、というのは手製りの塩辛で、この爺さん、彦兵衛さん、むか....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
粉細工を売るらしい。片岡牛鍋、尾上天麩羅、そこへ並べさせてみよう了簡。 「おい、お爺い。」 と閑なあまりの言葉がたき。わざと中ッ腹に呼んでみたが、寂寞たる事、く....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
す。――町のその山の手が、娘のうまれた場所なのです。 (私は、うちにお父さんと、お爺さんが。) (僕は祖母さん一人……) (死んで、あの、幽霊になって、お手つだ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
た。 しばらく往来もなかったのである。 八 「……おう、宰八か。お爺、在所へ帰るだら、これさ一個、産神様へ届けてくんな。ちょうどはい、その荷車は....