» お目見得

「お目見得〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

お目見得の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
の飯も御題目を唱《とな》えない内は、箸をとらないと云った調子である。所が、平吉がお目見得《めみえ》をしてから二月ばかりするとそこのお上《か》みさんがふとした出来....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
ぎかく。 欣弥 飛んでもない、まあ、どうか、どうか、それに。 白糸 ああ、女中のお目見得がいけないそうだ。それじゃ、私帰ります。失礼。 欣弥 (笑う)何を云うの....
金属人間」より 著者:海野十三
して、針目博士がとつぜんわれわれの前へ脚光《きゃっこう》をあびてあらわれた、そのお目見得《めみえ》の事件について、これから述べようと思う。 それは恐ろしいなぞ....
○○獣」より 著者:海野十三
というのは、その怪しき大火光の元が分るような、不思議な怪物が、敬二の視界のなかにお目見得したからである。それは丁度、東京ビルの横に、板囲いをされた広い空地の中で....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
粗末ではあるが春着にでもと送ってくれた一反《いったん》の山繭《やままゆ》が、丁度お目見得の晴着となったのであった。いくら奉公でも若い女が着のみ着のままでは目見得....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
山科郷にわびしゅう暮らす藻《みくず》という賤《しず》の女《め》でござります。殿にお目見得《めみえ》を願いとうて参じました」 取次ぎの青侍《あおざむらい》は卑し....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ら再び東京の舞台を踏むことになった。それは歌舞伎座の正月興行で、かれは帰り新参のお目見得として、「鞍馬山」のだんまりに牛若丸をつとめ、養父菊五郎が木の葉天狗実は....
貞操問答」より 著者:菊池寛
して、乱暴に封を切った。 私とうとう働くことになりましたの。家庭教師です。今日、お目見得、多分採用される見込み、前川準之助って実業家の家……ご存じないかしら、私....
乱世」より 著者:菊池寛
けるなど、一藩は激しい混乱に陥った。 が、そこに思わざる反対が起った。それは、お目見得以下の軽輩の士が一致しての言い分であった。彼らは太平の世には、上士たちの....
天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
とハッとばかりに大地へ坐り両手を土へ突きました。 「天童降来。天童降来。ははッ、お目見得を仰せつかり忝けのう存じます」斯う云って平伏したのです。 すると、四郎....
善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
まして真っ平ご免遊ばしませ。なアんて云うのも烏滸がましいが私は泥棒の鼠小僧、お初お目見得に粗末ながら面をお目にかけやしょう」 パッと包んだ手拭を捕るとヌッと露....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
、じっと女を観察した。何んのことだ人間では無い。木で作った人形なのであった。 「お目見得は済んだ。帰ったり帰ったり。」復もやポンと畳を打った。その拍子に立ち上り....
人生案内」より 著者:坂口安吾
しでこのまま老いこむのは残念な気持はつよい。 料理店へ願いでてみると、三日間のお目見得ののち、上々の首尾でめでたく採用ということになった。 ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
読んで字のごとく身分あるもの、それも禄高《ろくだか》にして五百石以下、家格にしてお目見得以上のお旗本が罪人となった場合、この上がり座敷へ投獄するので、第二は揚が....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
いとそのことが思いのうちに湧き上った。思い出せばなる程そうだった。八つの年初めてお目見得に上って、お茶との御所望があったとき、過ってお膝の上にこぼしたら、ほほう....