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「お貰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

お貰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
へ引返しながら、「じゃちょいと阿母《おかあ》さんにそう云って下さい。私がまた見てお貰い申したい事があって上りましたって――今も御門先で度々御免と声をかけたんだが....
婦系図」より 著者:泉鏡花
に解くと、背後ざまに机に肱、片手をしかと膝に支いて、 「貰うさ。」 「え。」 「お貰いなさい。」 「くれようか。」 「話によっちゃ、くれましょう。」 「後継者じ....
海異記」より 著者:泉鏡花
いて納戸口。 十三 「ねえ、今に内の人が帰ったら、菜のものを分けてお貰い、そうすりゃ叱られはしないからね。何だか、今日は寂しくッて、心細くッてなら....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
」 と嘲りながら、さもいとしさに堪えざるごとく言う下に、 「若いお父さんに骨をお貰い。母さんが血をあげる。」 俯向いて、我と我が口にその乳首を含むと、ぎんと....
式部小路」より 著者:泉鏡花
敷包がそれである。 「よく、お気が着きましたねえ。御褒美に、それこそ深張を買ってお貰いなさいまし。」 頭をふって、 「要らない。」と活溌にいった。 「でも貴女....
軍用鼠」より 著者:海野十三
いでネ、なるべくこうしてお手隙の午前中に伺って、品物をひとつ悠くり念入りに調べてお貰い申してえとねえ旦那、このレッドはいつもそう思っているんですぜ」 「フフン、....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
ちゃんは、防空壕《ぼうくうごう》を掘っているのだよ。出来たら、お前も入《い》れてお貰《もら》い」 そういって、母親は安心して、奥に引込んでしまった。 (防空壕....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
。だが喜久井氏はその時、文壇的な或る事業|劃策中だったので、友人麻川荘之介に見てお貰いなさいと葉子に勧めた。 葉子は早速麻川氏に手紙を書いたが、その返事がいつ....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
、せい/″\此のムッシュウの気に入るように仕掛けて、あたしのような首飾りを買ってお貰いなさいよ。」 新吉の日本の妻にさえ嫉妬する夫人が眼の前の此の娘の出現にこ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
なさい 必ず必ずみ仏は来給う さんげなさい、み仏の前に そして心のよごれを拭ってお貰いなさい。 懺悔なさい、懺悔なさい、み仏の前に。 私の知人の息子が、嘗て小....
画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
、その奥様が二歳になる若様を残して御死亡になりました、ソコで間もなく他から後妻をお貰いになって、その二度目の奥様のお腹にも男のお児様が出来たのです。けれども、其....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
、千生さんの家へ行って貰って来ました。」 「千生さんの家……。千鳥さんへ行って、お貰い申して来たの。あら、まあ、どうも済みません。」 と、延津弥は繰返して礼を....
白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
に話しながら小一時間ほど歩きました。そのときに伊佐子さんが、あなたはなぜ奥さんをお貰いなさらないのだと訊きましたから、幾年かかっても弁護士試験をパスしないような....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
鉢の前で訊いた。 「いや、実はそれで今夜上がったんですが……。親分、ちっと聞いてお貰い申してえことがあるんです」 「なんだ。又いつもの法螺熊じゃあねえか」 「ど....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
があったもんですから、つい遅くなりました。そこで先ずその半鐘というのを一度見せてお貰い申したいんですが、あがって見ても宜しゅうございますかえ」 「さあ、さあ、ど....