»
お通夜
「お通夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お通夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
は、霜よけの藁《わら》を着た芭蕉《ばしょう》が、何本も軒近くならんでいる。書斎で
お通夜《つや》をしていると、いつもこの芭蕉がいちばん早く、うす暗い中からうき上が....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
もね、当りましたわ、先生、やっぱり病人があるのよ。それでもって、寝ないでいるの、
お通夜をして……」 「
お通夜?」 と一人、縁に寄った隅の方から、声を懸けた人が....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
沈黙した三人はしばらく恨めしき池を見やって立ってた。空は曇って風も無い。奥の間で
お通夜してくれる人たちの話し声が細々と漏れる。 「いつまで見ていても同じだから、....
「赤外線男」より 著者:海野十三
して帰りましたが、まあこのような世間様に顔向けの出来ない死に様でございますから、
お通夜も身内だけとし、今日の夕刻、先祖代々|伝わって居ります永正寺の墓地へ持って....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
ましたが、中々勉強もなさると見えて、どの壁も本棚でギュウギュウ言っているんです。
お通夜に来た、ご近所の三人の人たちも、こんなに本のある家は、見たこともない。上野....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
あとで、うそだということがばれてしまいます」 「なあに、問題は、今夜だけしずかに
お通夜をさせればいいのさ。明日になれば、トラ十の死因について、すこし疑わしいこと....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
いかに惨めだかを少しは考えてみろ、それなのにああして笑いながら話をしている。私は
お通夜に来た従妹達が笑いながら世間話をしている中へ入って行って、怒鳴りつけてやり....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
った。だから結婚後の家庭生活はあんまり幸福でなかったらしい。彼女の亡くなった時、
お通夜に行ったものから聞いたが、姑だの、母を異にした――、つまり妾腹だな、そうい....
「妖影」より 著者:大倉燁子
ますし、実際死んでしまったのに相違なかったんです。私共は一日二晩、娘の傍を離れず
お通夜をいたしまして、私自身で娘を棺の中に納めました。そして墓場まで送って家族累....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
らえると、院長の屍体を見たい旨を申出た。 「ハイ、まだお許しがございませんので、
お通夜も始めないでおります」 云いながら宇吉は、蝋燭に火をともして病舎のほうへ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
その後髪結いをよしてからもずっと母の一番親しいお相手として出はいりしていた女が、
お通夜をしながら僕に話しだした。僕が去年の夏、この自叙伝を書く準備に二十年目でそ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
も悔みに来る者もなく、お元とお仲との二人ぎりで寂しい葬式をすませたのですが、その
お通夜の晩にお元が初めて御新造の秘密をお仲に打明けたそうでございます。 御新造....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
あなたに霊魂のお救いを願うことは出来ませんでした。せめてはあのお気の毒な御遺骸に
お通夜を願います」 かの老人はわたしの腕をとって、死骸の置いてある室へ案内しま....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のいい奴ですね」 「そうすると、その水出しのことはあなたの種出しなんですね」 「
お通夜の晩に、紙屑屋の女房がふと水出しのことをしゃべったのが手がかりで、こんな大....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も、更にお琴の心を暗くする事があった。お由はおかみさんにそっと話した。 「ゆうべ
お通夜をしている時に、白地の着物を着た女の子が裏の木戸から覗いていたそうです」 ....