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「お鍋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

お鍋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
将軍」より 著者:芥川竜之介
米俵が、わずかに暗示を与えていた。そこへ前垂掛《まえだれが》けの米屋の主人が、「お鍋《なべ》や、お鍋や」と手を打ちながら、彼自身よりも背《せ》の高い、銀杏返《い....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
自分にいたずらをするのだと思い込んで、びっくりして跳び立って、ミルクの入っていたお鍋にとび込んでしまいました。それであたりはミルクだらけという始末。おかみさんが....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
う」お妻はそう云って、姉娘の方に目くばせした。「みどり、ちょっと、お勝手でお汁のお鍋を温めといで」 「はい」 みどりは勝手に立った。 ミツ坊は、いつの間にか....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
ナアのお相手をしていました。 ジョウは、そこへとびこんでいって、 「ね、パンがお鍋のなかでころがるようになったら、ふくらんだのじゃない?」 サリイは笑い出し....
祖母」より 著者:楠山正雄
お粥がよろしい。」 二三日はお粥もめずらしかったし、おばあさんが三度々々小さなお鍋で煮てくれる半ぺんやお芋がどんなにおいしかったでしょう。青い眼がねをかけて食....
おせん」より 著者:邦枝完二
、膠を煮てる匂だわな」 「冗談じゃない。そんな生やさしいもんじゃありゃァしない。お鍋を火鉢へかけて、雪駄の皮を煮てるんだよ。今もうちで、絵師なんて振れ込みは、大....
三の酉」より 著者:久保田万太郎
わは、火鉢のうえにふせた目をあげた。 ――何んでもいゝ。 ――じゃァ、何か、お鍋のもの…… ――いゝだろう、それも。……おとゝいの晩はおでん、昨夜はトリ。....
杜松の樹」より 著者:グリムヴィルヘルム・カール
よ。」 こういって、お母さんは小さな男の子を持って来て、ばらばらに切りはなして、お鍋へぶちこんで、ぐつぐつ煮てスープをこしらえました。マリちゃんはそのそばで、泣....
太郎坊」より 著者:幸田露伴
たはまあどうなすったのです、今日に限って男らしくも無いじゃありませんか。いつぞやお鍋が伊万里の刺身皿の箱を落して、十人前ちゃんと揃っていたものを、毀したり傷物に....
出家物語」より 著者:坂口安吾
あなた、戦争からこっち、菜ッパの切れッパシに猫のモツなんか入れて並べておきゃ幾つお鍋の山をつんでも売り切れちゃうんだから、アレヨアレヨというもんですよ。犬でもド....
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
ら直ぐ来ておくんなさいッて……」 勝「何うも御苦労さま、直ぐ参《めえ》りやす、お鍋どんまア好《い》いじゃねえか、お茶でも飲んでいきねえな、敵《かたき》の家《う....
旧主人」より 著者:島崎藤村
すこし》顔を紅くして勝手口から上りました。続いて私も上りまして、炉に掛けて置いたお鍋の蓋を執って見ますと、南瓜《とうなす》は黄に煮え砕けてべとべとになりましたが....
新生」より 著者:島崎藤村
そうして頂きましょうか」と輝子が言った。「節ちゃんと私とがこの角へ坐りましょう。お鍋を一つ台の上に載せましょう。煮ながら頂きましょう」 「叔父さん、もうそろそろ....
真珠の首飾り」より 著者:神西清
いた幸福な、束の間だって波風ひとつ立った例しのない暮らしのあげくに、こうして熊公お鍋みたいに悪態の吐き合いをしちまったんだ。……それというのも元をただせば、一向....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
器の心配もしなければならなかった。お皿には、クロチョウ貝を、おわんにはタカセ貝、お鍋には、シャコ貝を使った。 島には、一日一日と、海鳥が多くなった。 海鳥が....