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かちかち
「かちかち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
かちかちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「追憶」より 著者:芥川竜之介
熱さそれ自身よりも灸をすえられるということである。僕は手足をばたばたさせながら「
かちかち山だよう。ぼうぼう山だよう」と怒鳴ったりした。これはもちろん火がつくとこ....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
今はすっかり忘れてしまった。そのあとで、また蓄音機が一くさりすむと、貞水の講談「
かちかち甚兵衛《じんべえ》」がはじまった。にぎやかな笑い顔が、そこここに起る。こ....
「もみの木」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
となど、まるで、忘れられてしまったのでしょう。 「今は、そとは冬なのだ。地めんは
かちかちにこおって、雪がかぶさっている。だから、あの人たちは、わたしをうえること....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
云います。余計に私なんざ懐くって、(菖ちゃんお遊びな)が言えないから、合図の石を
かちかち叩いては、その家の前を通ったもんでした。 それが一晩、真夜中に、十畳の....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
の小桶を小脇に、柱をめぐりて、内を覗き、女童の戯るるを視つつ破顔して笑う 朱の盤
かちかちかちかち。 歯を噛鳴らす音をさす。女童等、走り近く時、面を差寄せ、大口|....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
。 「迷い児の迷い児の春木君やーい」 どんどんどん、どんどんどん。かあちかち、
かちかちッ。 にぎやかに山を登っていった一行は、生駒の滝の前に焚火があるのを発....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
。 少年たちが、感心して樽の中をのぞきこんでいるとき、大時計の音が、ゆっくり、
かちかち聞えてきた。 ところが、あと五分足らずで、この屋敷は大爆発を起すことに....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
しは劇場の前を離れた。横町はまだ滑りそうに凍っているその細い路を、わたしの下駄は
かちかちと蹈んで急いだ。家へ帰ると、すぐに書斎の戸棚から古いバスケットを取出した....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
金次はたちまち顔色を変えて、唖のように黙ってしまった。彼の手に持っている火箸は、
かちかちと鳴るほどにふるえた。 「あの黄八丈は小柳のかい。いくら芸人でもひどく派....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
くと、お茶の水の堤には狐の声がきこえた。わたしは小さい肩をすくめて、朴歯の下駄を
かちかちと踏み鳴らしながら路を急いだ。野犬の群れに包囲されて、難儀したこともしば....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
君ももう馴れているとみえて、別に気味の悪そうな顔もしていなかった。 舞台の方で
かちかちという拍子木《ひょうしぎ》の音がきこえると、お絹はそこにある茶碗の水をひ....
「親木と若木」より 著者:小川未明
なり、冬となりました。冬には、寒い、寒い日がつづいたのでした。地面は凍って、堅く
かちかちとなりました。そして、草の葉や、木の葉は、霜のために傷んでそのころまで残....
「城」より 著者:カフカフランツ
ているようで、たいていの部屋ではまだ人が起きていて、人声やハンマーの音やグラスの
かちかちいう音が聞こえた。しかし、とくに陽気らしいという印象は受けない。人の声は....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
りませんけれども、確かに曹達が入って居る。で、その中から死体を出しますと、もはや
かちかちになって全く木で拵えたもののようになって居り、腹などもすっかり引っ込み眼....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
女は何でもよく出来たが、特別にずばぬけてよいものを持っては居なかった。細かい字を
かちかちノートにかきつめ、地図や理科の絵をきわめて美しくかいていた。又、御裁縫や....