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かなり
「かなり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
かなりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
小僧や書生の来ておらないのには。会員は多いようである。会員外の人は聴講料を出す。
かなり高い。二回で半ギニー(十円五十銭)位であったと思う。一回分が丁度芝居の土間....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
夜はなおさら昼のホテリの残りて堪えがたければ迚も寝られぬ事ならば、今宵は月も明ら
かなり、夜もすがら涼み歩かんと十時ごろより立ち出で、観音へ参詣して吾妻橋の上へ来....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
我が生命を断った拳銃を握ったまま全身あけに染って打倒れていた。 某氏(五七)は
かなり楽な生活をしていた人で、幸福であるために必要であるものはすべて具っていたの....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
町へ着けば役場へいって訊いてみた。けれども、息子が行きがた知れずになってからもう
かなり日数もたっていることとて、誰ひとりそれを知る者もなかった。当の息子のジャン....
「寡婦」より 著者:秋田滋
上を見ました。と、木の葉のなかで何か揺れているものがあります。風があったのです。
かなり強く風が吹いていたのです。 私はそれからどうしたのか、もう覚えがありませ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
知れると共に、始めてその敵《かたき》が明かになった。甚太夫と平太郎とは、年輩こそ
かなり違っていたが、背恰好《せいかっこう》はよく似寄っていた。その上|定紋《じょ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
《ご》の哲学科にいた、箸《はし》にも棒にもかからぬ男だった。僕は横になったまま、
かなり大声《おおごえ》に返事をした。
「哀《あわ》れっぽい声を出したって駄目《だ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
ひっそりしている。神父も身動きをしなければ、女も眉《まゆ》一つ動かさない。それが
かなり長い間《あいだ》であった。
その内に神父は祈祷をやめると、やっと床《ゆか....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
聞《ぜんだいみもん》だと云う恐慌《きょうこう》が来ている。現に賢造の店などでも、
かなり手広くやっていた、ある大阪の同業者が突然破産したために、最近も代払《だいば....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ょうごくひゃっぽんぐい》の近くの邸宅に、気の利《き》いた西洋風の書斎を新築して、
かなり贅沢《ぜいたく》な暮しをしていました。
「私はこう云っている中にも、向うの....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ば「驚いた」と言う時には急に顔をのけぞらせたりした。……
僕はこういう彼の話を
かなり正確に写したつもりである。もしまただれか僕の筆記に飽き足りない人があるとす....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
か》えない姿だった。僕は熱帯植物の中からしっきりなしに吹きつけて来るジャッズには
かなり興味を感じた。しかし勿論幸福らしい老人などには興味を感じなかった。
「あの....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
る観があった。そうして、その集注されていると云う事を意識するのが斉広にとっては、
かなり愉快な感じを与えた。――現に彼には、同席の大名に、あまりお煙管が見事だから....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
。己が袈裟に対するその後の愛着の中には、あの女の体を知らずにいる未練《みれん》が
かなり混っている。そうして、その悶々《もんもん》の情を抱《いだ》きながら、己はと....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
ら、もう少し書く。松岡の手紙によると、新思潮は新潟《にいがた》県にまじめな読者を
かなり持っているそうだ。そうしてその人たちの中には、創作に志している青年も多いそ....