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か所
「か所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
か所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運」より 著者:芥川竜之介
さん。その女は、それから、どうにかやって行けるようになったのだろう。」
「どうに
か所か、今では何不自由ない身の上になって居ります。その綾や絹を売ったのを本《もと....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
い。そこへ一人、裏へまわった仲間の一人が、汗と埃《ほこり》とにまみれながら、二三
か所薄手を負うた様子で、血に染まったままかけつけた。肩にかついだ太刀の刃のこぼれ....
「或る女」より 著者:有島武郎
がた》に続いていた。塵《ちり》一つすえずにきちんと掃除《そうじ》が届いていて、三
か所に置かれた鉄びんから立つ湯気《ゆげ》で部屋の中は軟《やわ》らかく暖まっていた....
「親子」より 著者:有島武郎
なな雑草の見える場所を除いては、紫色に黒ずんで一面に地膚をさらけていた。そして一
か所、作物の殻を焼く煙が重く立ち昇り、ここかしこには暗い影になって一人二人の農夫....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
かもその隣家の娘の居間と、垣一ツ隔てたこの台所、腰障子の際に、懐手で佇んで、何だ
か所在なさそうに、しきりに酸漿を鳴らしていたが、ふと銀杏返しのほつれた鬢を傾けて....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
の溜ってる面積は五、六町内に跨がってるほど広いのに、排水の落口というのは僅かに三
か所、それが又、皆落口が小さくて、溝は七まがりと迂曲している。水の落ちるのは、干....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
》簡単な挨拶をしながら診察にかかった。しかし診察は無造作であった。聴診器を三、四
か所胸にあてがってみた後、瞳を見、眼瞼《まぶた》を見、それから形ばかりに人工呼吸....
「一坪館」より 著者:海野十三
、えらいいきおいで復興しはじめた。まずその第一|着手として、銀座八丁の表通を、一
か所もあき地のないように店をたてならべることになった。 その工事はにぎやかには....
「古事記」より 著者:太安万侶
、お尋ねになりましたので、「わたくしのからだは、できあがつて、でききらない所が一
か所あります」とお答えになりました。そこでイザナギの命の仰せられるには「わたしの....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
ていた栄西禅師の帰国とともにわが国に伝わって来た。彼の持ち帰った新種は首尾よく三
か所に植え付けられ、その一
か所京都に近い宇治は、今なお世にもまれなる名茶産地の名....
「金の魚」より 著者:小川未明
か。」と、金持ちは、薬売りにたずねたのであります。 「そういうところは、私は、幾
か所も見ました。みかんの園が山にあって、その下に海があって、町のあるところで温泉....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
この疑題の終点に辿りついたような、気がしたのでしたけれども、またそこには、着衣と
か所持品とかいう要点もあって、たとえば、その二人の身長が、どんなにか符合しようと....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
である。 「未踏地帯」と、精密な地図にさえ白圏のままに残された個所が、まだ四、五
か所はある。それらの土地は、なにか踏みいれば驚天動地的なものがあるだろうと、聴く....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
うは孔雀王経です。やはりあれは、天母人の大文化を唱ったものです。それには、一、二
か所ちがったところがありまして、あに竜の森へゆくを得んや――というところがある。....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
ていたため、新子と準之助氏とだけで、お茶をのんだ。お茶が済んでも、準之助氏が何だ
か所在なさそうなので、新子は何となく立ち去りかねていた。 「貴女は、ダイヤモンド....