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がせ
「がせ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
がせの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ロム・ボーンズが「早駈けヘッセ人」と競走した冒険談を思い出したので、自分の馬を急
がせ、先に行ってしまいたいと思った。ところが、不明の騎士も馬を早め、歩調をあわせ....
「墓」より 著者:秋田滋
限りない悦びを催させるのでした。わたくしにはまた、どうしても初めて会ったという気
がせず、この女をもう久しい以前から知っている、それまでにどこかで会ったことがある....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
い海岸を通りかかると、忍駕籠《しのびかご》につき添うた二人の若党が、漁師たちを急
がせて、舟を仕立てているのに遇《あ》った。やがて舟の仕度が出来たと見えて、駕籠《....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
が、こっちは元よりそんな事には、気がつく筈がありません。ただ、一生懸命に黒犬を急
がせながら、美しい大和《やまと》の国原《くにはら》を足の下に見下して、ずんずん空....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
た、情緒の水のささやきが、靄の底を流れる大川の水と同じ旋律をうたっているような気
がせずにはいられないのである。
けれども、自分を魅《み》するものはひとり大川....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
賢造は何か考えるように、ちょいと言葉を途切《とぎ》らせたが、やがて美津に茶をつ
がせながら、
「お前も勉強しなくっちゃいけないぜ。慎太郎はもうこの秋は、大学生に....
「河童」より 著者:芥川竜之介
自殺したりする手数を国家的に省略してやるのですね。ちょっと有毒|瓦斯《ガス》をか
がせるだけですから、たいした苦痛はありませんよ。」
「けれどもその肉を食うという....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
とっては、勿論、金無垢の煙管《きせる》一本の費用くらいは、何でもない。が、賀節《
がせつ》朔望《さくぼう》二十八日の登城《とじょう》の度に、必ず、それを一本ずつ、....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
お》か十一の秋だったそうです。年代にすると、黒船が浦賀《うらが》の港を擾《さわ》
がせた嘉永《かえい》の末年にでも当りますか――その母親の弟になる、茂作《もさく》....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
の馬は、ずっと将軍に遅れていた。中佐は軽い身震《みぶるい》をすると、すぐに馬を急
がせ出した。ちょうど当り出した薄日の光に、飾緒《かざりお》の金《きん》をきらめか....
「少年」より 著者:芥川竜之介
へ逐《お》い払ったように、日の光の澄《す》んだ風の中に黄ばんだ竹の秀《ほ》をそよ
がせている。
「坊ちゃん、これを御存知ですか?」
つうや(保吉は彼女をこう呼ん....
「父」より 著者:芥川竜之介
た。電車でゆけば停車場まで二十分とはかからない。――そう思いながらも、何となく心
がせく。停車場の赤い柱の前に立って、電車を待っているうちも、気が気でない。
生....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
わだらけの顔をにやつかせて、蛙股《かえるまた》の杖《つえ》のはこびを、前よりも急
がせ始めた。
それも、そのはずである。四五間先に、道とすすき原とを(これも、元....
「文章」より 著者:芥川竜之介
と云う小説をお書きですな。」
愛想の好《い》い田中中尉はしっきりなしに舌をそよ
がせている。
「あの批評が出ていましたぜ。けさの時事《じじ》、――いや、読売《よ....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
下さい。わたしは極道《ごくどう》に生れましたが、一家の大恩だけは返しました。それ
がせめてもの心やりです。……」
わたしは宅へ帰る途中も、同時に泣いたり笑ったり....