» きざ

「きざ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

きざの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
てでもいるように見えたでしょう。 その内に妙子はいつものように、だんだん睡気がきざして来ました。が、ここで睡ってしまっては、折角の計略にかけることも、出来なく....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
さしりょう》は長谷部則長《はせべのりなが》の刀に来国俊《らいくにとし》の脇差《わきざ》しであった。喜三郎も羽織は着なかったが、肌《はだ》には着込みを纏《まと》っ....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
すると彼はその細引に長靴の両脚を縛《しば》りはじめた。彼女の心に発狂と言う恐怖のきざしたのはこの時である。常子は夫を見つめたまま、震《ふる》える声に山井博士の来....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ね、――御医者様はまだ見えませんかしら。」 賢造は口を開く前に、まずそうに刻《きざ》みの煙を吐いた。 「困ったな。――もう一度電話でもかけさせましょうか?」 ....
」より 著者:芥川竜之介
の内に、目まぐるしい運動を続け出した。と同時にタイプライタアは、休みない響を刻《きざ》みながら、何行かの文字《もじ》が断続した一枚の紙を吐き始めた。 「拝啓、貴....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
そんな事も考えて見た。 それでも二時を聞いてしまうと、ようやく眠気《ねむけ》がきざして来た。――お蓮はいつか大勢《おおぜい》の旅客と、薄暗い船室に乗り合ってい....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
うとしたところらしい。 「相変らず御機嫌で結構だね。」 馬琴滝沢瑣吉《ばきんたきざわさきち》は、微笑しながら、やや皮肉にこう答えた。 二 「どう....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
《はやぶさ》二基を※《たずさ》えさせ給う。富士司の御鷹匠は相本喜左衛門《あいもときざえもん》と云うものなりしが、其日は上様御自身に富士司を合さんとし給うに、雨上....
葬儀記」より 著者:芥川竜之介
台は三尺ばかりしかない。そばに立つと、眼と鼻の間に、中が見下された。中には、細くきざんだ紙に南無阿弥陀仏《なむあみだぶつ》と書いたのが、雪のようにふりまいてある....
忠義」より 著者:芥川竜之介
ろめきながら、とうとう、四《し》の間《ま》の縁に仆《たお》れてしまうと、脇差《わきざし》をそこへ捨てたなり、慌ててどこか見えなくなってしまった。 ところが、伴....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
、柱にぶっつけながら、立ち上がった。楼上に通う梯子《はしご》は、二十いくつの段をきざんで、その柱の向こうにかかっている。――一同は、理由のない不安に襲われて、し....
伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
をかぶり、旅合羽《たびがっぱ》を着、相州無銘《そうしゅうむめい》の長脇差《ながわきざし》をさし、たった一人仇打ちの途《と》に上《のぼ》った。父の伝三の打たれた年....
文章」より 著者:芥川竜之介
の頭に変態性慾《へんたいせいよく》の莫迦莫迦《ばかばか》しい所以《ゆえん》を刻《きざ》みつけてしまうことは不可能だからである。…… 保吉は一人になった後《のち....
百合」より 著者:芥川竜之介
がら、ほとんど夢中にしゃべり続けた。それに釣りこまれた良平もいつか膳《ぜん》を置きざりにしたまま、流し元の框《かまち》にしゃがんでいた。 「御飯を食べてしまえよ....
路上」より 著者:芥川竜之介
な返事をすると、さっきから鉈豆《なたまめ》の煙管《きせる》できな臭《くさ》い刻《きざ》みを吹かせていた大井が、卓子《テエブル》の上へ頬杖をついて、 「何だい、そ....