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きりきり舞
「きりきり舞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
きりきり舞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
終僕たちをからかう小僧のいる酒屋の天水桶《てんすいおけ》に飛び乗って、そこでまた
きりきり舞いをして桶のむこうに落ちたと思うと、今度は斜《はす》むこうの三|軒長屋....
「乞食学生」より 著者:太宰治
より正しいようである。 「はははは。」と私は空虚な笑声を発した。「恥ずかしくて、
きりきり舞いした揚句《あげく》の果には、そんな殺伐なポオズをとりたがるものさ。覚....
「人間失格」より 著者:太宰治
ほんとうかい?」 ものしずかな微笑でした。冷汗三斗、いいえ、いま思い出しても、
きりきり舞いをしたくなります。中学時代に、あの馬鹿の竹一から、ワザ、ワザ、と言わ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いいたげな面持ちをつづけていましたが、かくと知らばまた右門流でした。 「名のれば
きりきり舞いをするだろうから、手数をかけずに案内せい!」 一刻も猶予ならぬもの....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
い樹の枝の上から、色の変った小さい葉が一つずつ落ちて来た。それが空中で非常に早く
きりきり舞う姿が鮮《あざ》やかに千代子の眼を刺戟《しげき》した。それが容易に地面....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
そろそろと私の狂乱がはじまる。なんでもよい、人のやるなと言うことを計算なく行う。
きりきり舞って舞って舞い狂って、はては自殺と入院である。そうして、私の「小唄」も....
「善蔵を思う」より 著者:太宰治
。物笑いのたねである。それ等のことに気がついた時には、私は恥ずかしさのあまりに、
きりきり舞いをしたのである。しまった! と思った。やっぱり、欠席、とすべきであっ....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
ついたのを吹き飛ばそうとするところは少し人間臭いが、尻に膠着したのを取ろうとして
きりきり舞いをするあたりなど実におもしろい。それがおもしろくおかしいのは「真実」....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
ら、輸送機を呼びよせるやら、俄に中国大陸|土産を掻き集めるやらで、こま鼠のように
きりきり舞いをしていたが、それでも一時間後には、ちゃんと輸送機上の人となっていた....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
官の会話だ。 出航用意からはじまってここまで、まるで火事場のような忙しさの中に
きりきり舞をしていた飛行島の乗組員たちは、やっと一息つく暇を見出した。艦内士官酒....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ちに駈けずりまわって、土生《はぶ》仙之助をはじめ十五、六人連中を狩り集めてこい」
きりきり舞いをした与吉は、糸の切れた奴凧《やっこだこ》みたいにそのまま裏門からす....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
つけ、私のおとこを売ろうとあせり、相手が一分間でもためらったが最後、たちまち私は
きりきり舞いをはじめて、疾風のごとく逃げ失せる。けれども私は、そのころすべてにだ....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
まいには数珠を揉んで、 「――南無妙法蓮華経!」 と、唱えて見たり、必要以上に
きりきり舞いをしていたが、ふと見ると、お前は鉢巻をしていた。おれはぷっと噴きだし....
「上海」より 著者:横光利一
自身の最後の瞬間へと辷り込みつつある速力を感じた。彼は眩惑する円光の中で、次第に
きりきり舞い上る透明な戦慄に打たれながら、にやにや笑い出した。すると、不意に彼の....
「はつ恋」より 著者:神西清
あるいは希望を、あるいは不安を呼びおこしたり、こっちの気の向きよう一つで、彼らを
きりきり舞いさせたりするのが(それを彼女は、人間のぶつけ合い、と呼んでいた)、彼....