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「き損〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

き損の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
てくれないか?」 やっと書き上げた電報を店員の一人に渡した後《のち》、洋一は書き損じた紙を噛み噛み、店の後《うしろ》にある台所へ抜けて、晴れた日も薄暗い茶の間....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
も何度も問いかえして、やっとここまで取りまとめたのでございます。で、多少は私のきき損ね、思い違いがないとも限りませぬから、その点も何卒充分にお含み下さいますよう....
或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
すっかり見えなくなった。拙ない宿世か、前世の悪業か、あーあ今日もまた、極楽への行き損じか。誰を恨まんようもない。身も根も疲れ果てた。悲しもうにも涙も尽き果てた」....
母と娘」より 著者:岡本かの子
術の名人で二十八年間此の役を引受けてやっているそうです。今此の村の農作物に恐るべき損害を与える雹を降らす黒雲を大砲で打ちまくって散らしてしまうというのです。慣れ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
息をついた。「衣小袖を送れとの御判断、それも面白うは存じまするが、万一その謎を解き損じて、わが心をかなたに見透かさるるも口惜しゅうござりまする。とてものことに今....
気まぐれの人形師」より 著者:小川未明
にいらないところがあると、おじいさんは、いつまでもいつまでも頭をかしげて、そのでき損なった人形の顔をながめていましたが、しまいに前のよくできたときとは違って、手....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
。それには、座間もカークもとっくから気がついていたのだ。 「ドドは、森の墓場へゆき損って人の手に落ちた。しかし今に、そのとき失った野性が強くなるか、それともマヌ....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
そうすると、案外刺傷の位置がものをいって、心臓を突かなかったのも、事によったら突き損ねたのであって、あるいは三人の盲人のうちでか――とも考えられるが、一方には、....
橡の花」より 著者:梶井基次郎
す。家全体が焼いてしまいたくなるのです。も一つは新らしい筆記帳の使いはじめ字を書き損ねたときのことです。筆記帳を捨ててしまいたくなるのです。そんなことを思い出し....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
・レペル先生が何事をか頻りに説明して居る様であるけれど少しも耳に入らずして全く聞き損じて了った。 第八十一回 古新聞 余は全く先生の言葉を聞き損じたから、....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
乾を洗い落すのです。或は手先きのよごれた時や、ガラス面の掃除に使用します。また描き損じた絵を洗い落すにも、アルコールが一番重宝であります。 ガラス 油絵で云えば....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
洗い落すのです、あるいは手先きのよごれた時や、ガラス面の掃除に使用します。また描き損じた絵を洗い落すにもアルコールが一番|重宝であります。 ガラス 油絵でいえば....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
んだ分には小さい紙片を挟んだのです。白紙のつもりであったのが、彼の翻訳の原稿の書き損ないでも入っていたと見えて、この反故に彼の手蹟があります。私は実は古田にドイ....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
精《くわ》しく知らない。但し飯田忠彦の野史《やし》に、行布常蛇陣とあるのは全く書き損いの漢文で、常山蛇勢の陣というのは、これとは異なるものである。何はあれ関勝蔵....
風流仏」より 著者:幸田露伴
取り連て、歌は人の作ながら声は天の籟美しく、慾は百ついて帰そうより他なく、恨はつき損ねた時罪も報も共に忘れて、恋と無常はまだ無き世界の、楽しさ羨しく、噫無心こそ....