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くず
「くず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
くずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
流れてゆくのだ。そこは静かな水の片隅のようなもので、急流と境を接しているのに、藁
くずや泡が静かにたゆたっていたり、あるいは、波止場にでもついたかのようにゆるやか....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
な視線を洋一に集めた。と同時に神山は、派手《はで》なセルの前掛けに毛糸屑《けいと
くず》をくっつけたまま、早速帳場机から飛び出して来た。
「看護婦会は何番でしたか....
「河童」より 著者:芥川竜之介
組んだまま、苦い顔をしてすわっていました。のみならずそのまた足もとには紙屑《かみ
くず》が一面に散らばっていました。ラップも詩人トックといっしょにたびたびクラバッ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
怪しからんな。」
牧野はお蓮の手を突《つっ》つきながら、彼一人上機嫌に笑い崩《
くず》れた。
しかし牧野はいつまでも、その景気を保っていられなかった。犬は彼等....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
なれど、凱旋《がいせん》後とかく素行|修《おさま》らず、酒と女とに身を持崩《もち
くず》していたが、去る――日《にち》、某酒楼にて飲み仲間の誰彼と口論し、遂に掴《....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
音としか思われなかった、しかし事実は打ち返された土の下にある霜柱のおのずから崩《
くず》れる音らしかった。
その内に八時の上《のぼ》り列車は長い汽笛を鳴らしなが....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
保ちたいのである。……
その内に汽車は動き出した。いつか曇天《どんてん》を崩《
くず》した雨はかすかに青んだ海の上に何隻も軍艦を煙らせている。保吉は何かほっとし....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
には、大癡の秋山図があるばかりか、沈石田《しんせきでん》の雨夜止宿図《うやししゅ
くず》や自寿図《じじゅず》のような傑作も、残っているということを告げました。
「....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
とは受取れないくらいである。おまけに、この間の水なるものが、非常にきたない。わら
くずやペンキ塗りの木の片《きれ》が黄緑色に濁った水面を、一面におおっている。どう....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ざまに生《お》い上《あが》りて白髪《はくはつ》多し。よろずの塵《ちり》や藻屑《も
くず》のつきたれども打ち払わず。頸《くび》細くして腹大きに脹《は》れ、色黒うして....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
った。
その内に猪首の若者は、とうとう大岩に背《せな》を圧《お》されて、崩折《
くずお》れるように砂へ膝をついた。その拍子《ひょうし》に彼の口からは、叫ぶとも呻....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
に、道とすすき原とを(これも、元はたれかの広庭であったのかもしれない。)隔てる、
くずれかかった築土《ついじ》があって、その中に、盛りをすぎた合歓《ねむ》の木が二....
「母」より 著者:芥川竜之介
もっとも後は向いたと云う条、地味《じみ》な銘仙《めいせん》の羽織の肩には、崩《
くず》れかかった前髪《まえがみ》のはずれに、蒼白い横顔が少し見える。勿論肉の薄い....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
上ったんですが、――御覧下さいますか、いかがなもんでしょう。御取次。」と、白々し
くずっきり云った。――それがどのくらいつらかったのでしょう、お敏はやはり手をつい....
「竜」より 著者:芥川竜之介
王が鎮護遊ばすあの池に獺の棲《す》もう筈もないから、それはきっと竜王が魚鱗《うろ
くず》の命を御憫《おあわれ》みになって、御自分のいらっしゃる池の中へ御召し寄せな....