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「こざっぱり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

こざっぱりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
らん。はてな。」 「どうした、め組。」 とむぞうさに台所へ現われた、二十七八のこざっぱりしたのは主税である。 「へへへへへ、」 満面に笑を含んだ、め組は蓮葉....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
子も看板を取違えたのかと思ったんだよ。」 「ええ、ええ、いいえ、お前様、」 とこざっぱりした前かけの膝を拍き、近寄って声を密め、 「これは、もし気ちがいでござ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
。 台所に踞んだまま、女房の、藍微塵の太織紬、ちと古びたが黒繻子の襟のかかったこざっぱりした半纏の下から、秋日和で紙の明るい上框の障子、今閉めたのを、及腰で差....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
で見るからが嫌に黒く光って居ります。よく洗えば随分色の白い人もあるですが、もしもこざっぱりと洗って綺麗な顔をして居るとあれは不潔の女であるといって笑うです。ここ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
見ると、岸にのぞんだ大きな柳の陰に、だれを乗せてきたのか、だれを待っているのか、こざっぱりとした伝馬《てんま》が一艘やはりつながれてあって、六十がらみの日にやけ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
不思議なことには、その五人が申し合わせたように、三十まえの若者ばかりでした。こざっぱりとした身なりはしているが、裕福なものたちではない。 懐中は無一物。手....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、岩吉店の中ほどで見つけたお駒のその住まいは、表付き、中のぐあい、うって変わってこざっぱりと、なにもかも整っているのです。 ばかりか、ぬっと上がっていった右門....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
屋へ往って待っておいでなせえ」 と約束して、これから森松は借物の羽織で小瀟洒《こざっぱり》した姿《なり》をして出掛けて往《ゆ》き、立花屋の門口から、 森「親....
予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
ベリーという名で、その男があやしげな生活をしていたことが分ったが、すでにその男のこざっぱりした家はもぬけのからになっていた。ただ調べて分ったことは、殺人のあった....
田舎教師」より 著者:田山花袋
前に、三人は町の蕎麦屋にはいった。いつもよく行く青柳庵という家である。奥の一間はこざっぱりした小庭に向かって、楓の若葉は人の顔を青く見せた。ざるに生玉子、銚子を....
あらくれ」より 著者:徳田秋声
によくいられたもんだ」お島は不思議に思ったが、それでも女のいるところは、小瀟洒《こざっぱり》した格子造の家であった。家のなかには、東京風の箪笥《たんす》や長火鉢....
」より 著者:徳田秋声
い顔をした。お銀の頭脳には、かつて住んでいた築地や金助町の家のような格子戸造りのこざっぱりした住家が、始終描かれていた。掃除ずきなお銀は、そんなような家で、長火....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
あけると、 「私」 「これは幸内さん、よくおいでなさいました」 見ると幸内は、こざっぱりした袷《あわせ》に小紋の羽織を引っかけて傘をさして、小脇には例の風呂敷....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
十七 よく見るとこれは一軒の生薬屋《きぐすりや》の店を仕切って、その狭い方へこざっぱりした差掛《さしかけ》様のものを作ったので、中に七色唐辛子《なないろとう....
地図にない街」より 著者:橋本五郎
一文もいらないとも、勿論。俺だって今少し若ければ、色気というものがあるから、多少こざっぱりしたなりをしてるんだが、この年ではこの方が気楽だからな」 と、これま....