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「こなす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

こなすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
なり古藤なりから何か聞いているのなら、葉子はそれを十倍も二十倍もの強さにして使いこなす術《すべ》を知っているのだけれども、あいにくその備えはしていなかった。愛子....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
はてな、……」 とのみで、俊吉はちょっと黙った。 女中は、その太った躯を揉みこなすように、も一つ腰を屈めながら、 「それに、あの、お出先へお迎いに行くのなら....
絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
らスピード時代だからと言っても、絵ばかりは駆け出しの若い人にはどうしても紙本などこなす腕が出来ませぬ。じっくりと叩き込んだ腕でないと筆が軽く自由に動いてくれませ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
思われます」 訓練された兵員は、それほど能力のない器械を時にその能力以上に使いこなす。事実、間聴音手の判断は、ちゃんと命中していたのである。それこそ柳下機に迫....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
習が、みんなをおどろかせ、そしてよろこばせた。 こうして艇夫たちは、宇宙服を着こなすことが出来たのだった。 「さあ、それではみなさん。それぞれの職場へ戻ってく....
革命の研究」より 著者:大杉栄
ことだ。 エドガー・キネェはそれをこう説明した。それは民主政治が恐怖政治を使いこなすことができないからだ。カトリックの教会や封建諸王がそれをやったのと同じ結果....
食魔」より 著者:岡本かの子
た。彼はこの間に持って生れた器用さから、趣味の技芸なら大概のものを田舎初段程度にこなす腕を自然に習い覚えた。彼は調法な与四郎となった。どこの師匠の家でも彼を歓迎....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
観客を泣かせたのである。わたしもさすがに偉いと思った。素人の彼らがこれほどに遣りこなすのは並大抵のことではあるまいと思った。一番目と二番目との間で、川上はオッペ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
んから大体を申します。着物の着方はあまり男子と変らない。ただ幾分か優しいように着こなすだけであって着物の仕立方は同じ事である。帯は幅一|寸五|分位、丈は八尺位、....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
がいいというだけで、その自分の声に余り頼り過ぎて、その声をほんとうに調節し、使いこなす修業をついお留守にします。つまり、声を相手に聞かせることだけで満足して、そ....
道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
く、そこまで行かぬと、人を指導することはできない。いつも言うことであるが、相手をこなすというのは、こっちが上にいるからで、同等なところにいては、相手をこなすこと....
歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
ちゃいけません。昔の師匠ならいざ知らず、いくら達者でも、いまどきあの女を、師匠がこなすなんてことが。――」 「勝負にゃならねえというんだの」 「お気の毒だが、ま....
春泥」より 著者:久保田万太郎
いっても、かれにくらべれば芸の幅がやゝ広く、ときには実体な爺さん役なんぞも器用にこなす鷲尾だった。ともに横浜以来の、古い、生抜きの座員だったには違いないが、菱川....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
。一方には愛を求めて、しかし一方には愛を恐れて。がこの二重性を一つのポーズに持ちこなすことは、現代女性の知性の働きであろう。私たちは求愛の表情の外に現われている....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
った。 彼女は時々自転車に乗って走っていた。尾道の街は極く狭くて、自転車で乗りこなすのは容易ではないのだ。そんな時には彼女はきっと家の用事で行ってるのだ。 ....