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ごった
「ごった〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ごったの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
いか、一声高く嘶《いなな》いて、鼻づらを急に空へ向けると、忽《たちま》ち敵味方の
ごったになった中をつきぬけて、満目の高粱畑《こうりょうばたけ》をまっしぐらに走り....
「或る女」より 著者:有島武郎
ら、朝っぱらから柿《かき》をむいてあてがっていた。その柿の皮があかあかと紙くずと
ごったになって敷き石の上に散っていた。葉子は叔父にちょっと挨拶《あいさつ》をして....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
目がねを貸した。 「さて、どこなりとおおぜいひとの あつまるなかへでかけていって
ごったかえしを、目がねでのぞくと、 とたんに、それこそカルタの札の うらないみた....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
日。やがて朝日館へ帰る、……とどうだ。 旅籠の表は黒山の人だかりで、内の廊下も
ごった返す。大袈裟な事を言うんじゃない。伊勢から私たちに逢いに来たのだ。按摩の変....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
眺めながら汽車が出た。戸田は宇都宮で降りた。後の三人は上野に七時に着いた。泥濘に
ごった返した土を見た時、帰らなければよかったと思った。銀座を歩くと貧民窟のような....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
云われて民子は心配やら嬉しいやら、嬉しいやら心配やら、心配と嬉しいとが胸の中で、
ごったになって争うたけれど、とうとう嬉しい方が勝を占めて終った。なお三言四言話を....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
が腹合せになっているというようなところである。 それから大金持と乞食とがまるで
ごった返しているのである。にぎやかな街には幾つも露地のような細い横筋の小さな通り....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
るったり、燃料が下からたつまきみたいになって操縦席までのぼってきたり、どの部屋も
ごったがえしの油だらけになる。これでは困るから、人工重力装置を働かせて、この艇内....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
の能力の研究のために、『宇宙の女王』号のなかは、いつも大ぜいのガン人の学者たちで
ごったがえしていたのだ。そして乗組員たちは、艇から外へでることを許されず、もちろ....
「海底大陸」より 著者:海野十三
よした大きなまるい頭が二、三百、嘔吐をもよおすほどの不気味な光景をていしながら、
ごったがえしてもみあっている。 「おい、へんなことになってきたぞ。どうしようか」....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
、川向うへ渡った。橋桁の上にも、死骸がいくつも転がっていた。下を見ると、赤土にに
ごった大川の水面に、土左衛門がプカプカ浮んでいた。その数は三、四十――いやもっと....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
様である。死ぬか、この変り者の悪党博士? それとも悪運強く生の断崖にぶら下るか?
ごったがえす山塞 二少年は、どうしたろうか。 机博士の暗室にもぐりこんでいた....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
う日の前日のことであった。が、その日家中が出発の準備のため、荷造りやなにやかやで
ごったがえしの忙しさの中にあるのにもかかわらず、正太は夜に入って、家へ帰ってきた....
「地軸作戦」より 著者:海野十三
で、沢山の宮廷委員がモートルを担いだり、蛇管を持ったり、電纜を曳きずったりして、
ごったがえしをしている有様を見て愕いた。 「ど、どうしたのかね、この体たらくは…....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ではない。 夜は明けはなれた。 カーテンをひくと消毒薬でむんむんする室内のに
ごった空気が外へ出ていって、入れかわりに、サイダーのようにうまい朝の外の空気が入....