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ご存じ
「ご存じ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ご存じの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「寡婦」より 著者:秋田滋
少年はまた、私が思わずぞッとしたほど深刻な声で、こうつけ足して云うのでした。 「
ご存じでしょうね、お父さんがどんなことをしたか」 私がおどおどしていると、少年....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
どんなにか嬉しいでしょうよ。」 その方、という、この方、もいろいろな事を、よう
ご存じ。……で、その結綿のかな文字を、女房の手に返すと、これがために貸本屋へ立寄....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
と唐突に尋ねた。 「ほら、ほら、」 と袂をその、ほらほらと煽ってかかって、 「
ご存じの癖に、」 「どんな婦人だ。」 と尋ねた時、謙造の顔がさっと暗くなった。....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ふり売りの途中、下の辻で、木戸かしら、入口の看板を見ましてね、あれさ、お前さん、
ご存じだ……」 という。が、お前さんにはいよいよ分らぬ。 「鶏卵と、玉子と、字....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
い》を備えたり。 弁者は仔細《しさい》らしく煙を吹きて、 「滝の白糸というのは
ご存じでしょうな」 乙者は頷《うなず》き頷き、 「知っとります段か、富山で見ま....
「外科室」より 著者:泉鏡花
《まね》ようたってできるものか」 「ひどくいうな」 「ほんのこったがわっしゃそれ
ご存じのとおり、北廓《なか》を三年が間、金毘羅《こんぴら》様に断《た》ったという....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
、右の売薬じゃ。このまた万金丹《まんきんたん》の下廻《したまわり》と来た日には、
ご存じの通り、千筋《せんすじ》の単衣《ひとえ》に小倉《こくら》の帯、当節は時計を....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
お世話になって。――すぐにもお礼かたがたお訪ね申さなければならなかったのですが、
ご存じの、貧乏稼ぎにかまけましてね。」 「なぞとおっしゃる。……は、は、は。」 ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
可哀想な方ですもの。それはね、あの、うぐい(※)亭――ずッと河上の、川魚料理……
ご存じでしょう。」 「知ってるとも。――現在、昨日の午餉はあすこで食べたよ。閑静....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
まだ、獅子屋さんの話をきかないうち、筆者は山の手の夜店で、知った方は――笑って、
ご存じ……大嫌な犬が、人混の中から、大鰻の化けたような面。……なに馬鹿を言え、犬....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
頃の様子を察しているから、お京さん――ままならない思遣りのじれったさの疳癪筋で、
ご存じの通り、一うちの眉を顰めながら、(……町内ですよ、ここの。いま私、前を通っ....
「転機」より 著者:伊藤野枝
谷中村までちょっと行ってきたいと思うのです。」 「谷中村って何処なんです。」 「
ご存じありませんか、栃木ですがね。例の鉱毒問題のあの谷中ですよ。」 「へえ、私ち....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
師は酒肴を出しつつ、 「はア、そうですか、この村には小川芋銭先生がおられますが、
ご存じですか」 すると男爵は視線をあちこちさせて、 「小川……小川、先生……そ....
「「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
ものですから、こんど、それを描いてみたのでした。 小町の“草紙洗”というのは、
ご存じのとおり、宮中の歌合せに、大伴黒主が、とうてい小町には敵わないと思ったもの....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
いに全世界を改めたということは、ここにいる人にはお話しするほどのことはない、みな
ご存じであります。また山陽という人は勤王論を作った人であります。先生はドウしても....