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ご本
「ご本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ご本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ト伸上って見ていた奴。 「棄ててはおかれませんよ、串戯じゃねえ。あの、魔ものめ。
ご本尊にあやかって、めらめらと背中に火を背負って帰ったのが見えませんかい。以来、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
言っているが、私の知っている名望家の間では、かえってそんなふうに言い触らしている
ご本尊のほうが大嘘つきだという評判が立っている。ヴィール氏はさすがに紳士であるだ....
「青い星の国へ」より 著者:小川未明
になって、はらはらと葉がちりかかりました。そして、年子は、先生の姿を見つけると、
ご本の赤いふろしき包みを打ち振るようにして駆け出したものです。 「あまり遅いから....
「僕は兄さんだ」より 著者:小川未明
お乳をたくさん飲んだ赤ちゃんは、こちらを見て、不思議そうな顔つきをして、きれいな
ご本を見ていましたが、かわいらしい手を出すと、
ご本をしっかりとつかんでしまいまし....
「旅への誘い」より 著者:織田作之助
姉喜美子ことは、ことしの七月八日、永遠にかえらぬ旅に旅立ってしまいました。永い間
ご本をお借りして、ありがとうございました。…… そこまで書いて、道子はもうあと....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
うた。 「お父様同志はこの秋に二人を一緒にしようと考えておられるのですが、肝腎の
ご本人はいやだと言うて逃げていらっしゃるのです」 「菊子さん、あなたは、島村君と....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
読んでもらった。その朝も、新子が病室へはいると、祥子は待ち兼ねていたように、 「
ご本よんで!」といった。 「今日はもうよむ
ご本ありませんよ。」 「動物園見物。」....
「火の扉」より 著者:岸田国士
というところへ、北原君を連れて行くだけの役目だよ。もつとも、どこへ行きたいのか、
ご本人にもわからんことがあるがね」 「そういう場合、君は、こつちへこいという合図....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
いでもお酒がのどにはいったら、もうめちゃめちゃであった。うちの中でこそ、リーズが
ご本尊だが、外の風に当たるともう忘れられてしまった。 でもこんなことはしじゅう....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
家へ帰ってから話してあげよう」 (ふうん、あのお方が『館林様』なのか? 館林様の
ご本体は、では甲斐の国館林の領主、松平右近将監武元卿――従四位下ノ侍従六万千石の....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
をつづけた。 彼女達は彼女達が信じている、白河戸郷の守護神とも云うべき、神殿の
ご本尊の「唯一なる神」へ、野の花を捧げようと考えて、野の花を摘みに来たのであった....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
その時であった、そこに立っていた虚無僧の話が平八の好奇心を引き付けた。 「小さい
ご本尊に大きい御堂、これには不思議はないとしても、この浅草の観音堂と信州長野の善....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
まだ早いのではございますが、妾は悲しくなりましたゆえ、いつものように夜の床の上で
ご本を読むことに致します。お休みなさりませお姉様」 彼女の立ち去ったその後は遠....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
て、いわば先生は清水の懐を肥やす為に、毎日働いていなすったんだわ。先生はいろいろ
ご本をお書きになって、世界に知られた方だったし、ご診察の方も名人だったんですから....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
お身おからだをのせながら、右に御台《みだい》、左に簾中《れんちゅう》、下々ならば
ご本妻におめかけですが、それらを両手に花のごとくお控えさせにあいなり、うしろには....