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さし
「さし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
さしの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
教室に君臨するときの圧迫的な威厳や絶対支配権をいっさい投げうって、おどろくほどや
さしくなり、気に入られるようにした。彼は子供をかわいがってやっては、母親たちの好....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ーのデビーを尊敬することは依然旧のごとくであったが、デビーの方ではもとのようにや
さしく無かった。やがてデビーは病気保養のため、イタリアに転地などをしておったが、....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
神の森まで来りしが、この曲りの三股原に至り、またつとめて勇気を振い起し大願成就な
さしめたまえと明神の祠を遙拝して、末|覚束なき旅に上りぬ。路用として六円余、また....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
、なんの変哲もなく、ただ悲しく繰返されるだけだった。家へ帰って来て錠前の穴に鍵を
さし込む時のその
さし込みかた、自分がいつも燐寸を探す場所、燐寸の燐がもえる瞬間に....
「寡婦」より 著者:秋田滋
これなのです」 そう云って、老嬢は絶望的な身振りをして、わなわな顫える手を前に
さし出した。 それから幾度も幾度も洟をかみ、眼を拭いて、こう云うのだった。 ....
「狂女」より 著者:秋田滋
作がおさまると、こんどは、倦怠とでも云うのだろう、どうやら静かな症状がつづいて、
さしもの彼女もあまり動かなくなった。食事もろくろく摂ろうとはせず、ただ眼ばかりギ....
「墓」より 著者:秋田滋
すが――。しかし、わたくしは棺を開けました。そして、火をともした提燈をそのなかに
さし入れたのです。わたくしは彼女を見ました。その顔は青ざめて、ぶくぶくと膨れあが....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
嬢さんの妙子さんだ」 遠藤は片手にピストルを握ったまま、片手に次の間の戸口を指
さしました。 「それでもまだ剛情を張るんなら、あすこにいる支那人をつれて来い」 ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《あわせ》を重ねて、同じ紬の紋付の羽織の下に細い革の襷《たすき》をかけた。差料《
さしりょう》は長谷部則長《はせべのりなが》の刀に来国俊《らいくにとし》の脇差《わ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
立てきった障子《しょうじ》にはうららかな日の光が
さして、嵯峨《さが》たる老木の梅の影が、何間《なんげん》かの明《あかる》みを、右....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
更紗《さらさ》の帯だったかと思う、とにかく花柳小説《かりゅうしょうせつ》の挿絵《
さしえ》のような、楚々《そそ》たる女が立っているんだ。するとその女が、――どうし....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
ながひこ》という若い木樵《きこり》が住んでいました。これは顔かたちが女のようにや
さしくって、その上《うえ》髪までも女のように長かったものですから、こういう名前を....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
……」
半三郎のこう喚《わめ》いているうちに下役はズボンの右の穴へ馬の脚を一本
さしこんだ。馬の脚は歯でもあるように右の腿《もも》へ食《く》らいついた。それから....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
さんけんし》、この金《かね》は三十|両《りょう》をひと包みとせり。もっとも些少《
さしょう》の東西《もの》なれども、こたびの路用を資《たす》くるのみ。わが私《わた....
「運」より 著者:芥川竜之介
いたそうでございます。大方それが、気になったせいでございましょう。うとうと眠気が
さして来ても、その声ばかりは、どうしても耳をはなれませぬ。とんと、縁の下で蚯蚓《....