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「さまよえる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

さまよえるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
に快濶《かいかつ》になった。 「ああ、ああ、聞かないでもわかっているよ。お前は『さまよえる猶太《ユダヤ》人』だろう。」 彼はウヰスキイ炭酸《たんさん》を一口《....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
基督《キリスト》教国にはどこにでも、「さまよえる猶太人《ゆだやじん》」の伝説が残っている。伊太利《イタリイ》でも、仏蘭....
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
すこぶ》る好都合《こうつごう》に出来上っている。君はまだ高等学校にいた時、僕に「さまよえる猶太《ユダヤ》人」と云う渾名《あだな》をつけたのを覚えているであろう。....
式部小路」より 著者:泉鏡花
、少しずつ、巻き込みながら繰り寄る繃帯。 遠く廊下に操る布の、すらすら乱れて、さまよえるは、ここに絶えんず玉の緒の幻の糸に似たらずや。繋げよ、玉の緒。勿断ちそ....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
じめその中低音が、この歌を唱うんだ。つまり、僕が云うのはワグネルの歌劇さ――『|さまよえる和蘭人』のことなんだよ」 (註)。「さまよえる和蘭人」――船長ヴァン・....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
設に取りかかったのだ。……しかるに今は優婆塞はいない。彼らは牧者を失った。彼らはさまよえる羊となった。四散するのは当然である」 で、彼は自分へ云った。 「さて....
さようなら」より 著者:田中英光
神を涜した為、未来|永劫《えいごう》にわたり幽霊船の船長として憩いの許されぬ“|さまよえる和蘭人《フライング・ダッジマン》”でさえ、女性の無償の愛が得られれば許....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
胆沈着・傍若無人の不敵な空気」もどこかへすうと消えてしまって、かわりにそこに、「さまよえる老|猶太人」らしい淋しい影が一そう拡がり、見るまに彼の全人格と身辺を占....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
る。 これに対する、僕のさびしいミゼラブルな夢の一つを御紹介する。 それは「さまよえるユダヤ人」にもふさわしかるべき種類の夢である。 大学構内、耐震家屋の....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
て光り和らかに、さながら象の目に似たると、今にも笑まんずる気はいの断えず口もとにさまよえるとは、いうべからざる愛嬌と滑稽の嗜味をば著しく描き出しぬ。 ある年の....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
しい、かかるドイツ的偽善の人物を、彼はよく知りすぎてい、現実に見たことがあった。さまよえるオランダ人は、その重々しい感傷性と陰鬱《いんうつ》な倦怠《けんたい》と....
ウスナの家」より 著者:マクラウドフィオナ
きながら) デュアック うたえ! マイネ (うたう) ひろき現世《うつしよ》にさまよえる美《うつくしさ》のほのかなる顔《おも》よ、 眼もて見るにあまりまばゆき....
約束」より 著者:マクラウドフィオナ
弾くと、それが月光のなかの海の波の泡のようだった。青い草の中に女の足がうごいた、さまよえる百合の花のように。 彼女はケリルのために一つの歌を弾いてくれた。 ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
した。一九四一年に又もやレオナルド展が世界巡業を行ったことは、不滅というよりも「さまよえるダッチマン」のオペラ式で、おおレオナルドをして安らかに眠らしめよと、シ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
気おありにならないでしょうか。うちにヘディンはかなりあります、『馬仲英の逃亡』『さまよえる湖』(ロブ湖のこと)『熱河』など。上二冊の部分ね、ゴビは。大気のよく澄....